オリエン返しについて考えてみる

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令和元年神無月21日  今日もクルクル通信422号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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先日、友人の家族と会っていた時のことです。

帰り際に、友人が息子に、

「さあ、帰るよ!バギーか、歩くの、どっちがいい?」

と聞くと、

「抱っこ!」

と即答。

お見事!これは1本取られましたな。

ということで、友人は抱っこをして帰らざるを得ませんでした。

何がお見事だったのか?と言うと、大きく二つあると思っています。

まず、即答だったこと。

そして、そもそも提示された選択肢でなかったこと。それにもかかわらず、

そりゃ、それが一番だよね。

と、誰もが感じられた内容だったこと

です。

聞き手としたら、「その手があったか!」ってやつですよね。

 

広告業界には、俗にオリエン返しと呼ばれているものがあります。

これは、クライアントからのオリエンテーションをされた内容にズバリ答えた内容ではない提案を持っていくことです。

競合プレゼンの時には、ある種の賭けに出た作戦でもあります。

なぜなら、やり方をミスると、

私達が提案を依頼したことと違うことを持ってきたけど…

話聞いてなかったの?

となるリスクをはらんでいるからです。

が、しかし、

うまくハマった時は恐ろしい力を発揮して、勝率も格段に上がります。

では、このオリエン返しはどういったときに効果的なのでしょうか?

それは、お客様が提示されていることは、〇〇だけれども、

彼らが実現したいことや、お客様の種々のコンディション状況から考えると、こちらの方がベストではないか?

と考えられ、しかもそれがお客様が気付いていないことの場合。

あるいは、思いもしないようなウルトラCの施策を、こちらが持っている時ではないか?

と思うのです。

これは、お客様のことを考え切った故に、たどり着くものなんですよね。

考え切るということは、愛の総量の表れでもあると思います。

そういった場合に、聞き手にとって、

「いやー、この人達は本当に私たちのことをよく考えてくださっている。しかも、めちゃめちゃ面白いじゃないですか!ぜひやりたい」

と思えるものになるのだと思うのです。

もちろん、「もっといい策があるかもしれない」と思いつつも、

オリエンテーション通りにやって、お客様から「ありがとうございます」と言って頂ける。その結果、お仕事をご一緒させて頂くという戦い方もあるかもしれません。

でも、もし、心底お客様の事を考え、オリエン返しをやった方が良いという場合であれば、

それは、勇気を持って、突っ込んだ方が良いのでは?と思うのです。

もちろん、競合であれば勝ち負けも大事です。

オリエン返しに失敗して、競合敗北なんてこともあるかもしれません。

しかし、仮にその短期的なお仕事を取り逃したとしても、

長期的な視点で見ると、愛ある提案の方が、意義があることも十分に考えられます。

それは、関係値の点でも、ライフタイムバリュー(売上などの金銭面も含)の点でも。

 

そんな、諸刃の刃にもなりうる、オリエン返しをする時のポイントは、

まず、オリエンテーションの内容にきちんと答えること。その提案を準備すること。

これらがあった上で。プラスαの提案として、それを実施すること

だと思います。

この、オリエン内容にきちんと答えるからこそ、初めてお客様が、プラスαに聞き耳を持ってくれるんですよね。

このステップを踏まずして、

「今回はこちらの方が良いと思いましたので、持ってきました。」

なんて、枕で、プラスαのみの提案をすれば、

聞き手の立場からすれば、

「いや、そもそも、この人たち私の言ってることわかってんのかな?」

というクエスチョンマークがド頭から点灯しちゃいますよね。場合によっては、そこでシャッターが落ちてしまいます。

仮に、とても良い提案だったとしても、聞いてもらえない可能性があります。

そもそも、先方が聞きたいと思っている内容じゃないものを持ってきている訳ですから。

なので、正しい順序としては、

まず、お題を頂戴した内容に対するご提案をお持ちしました。でも、こちらの方が良いと思ったので、追加でお持ちさせていただきました。いかがでしょうか?もしよろしければご検討ください。

だと思うのです。

フィギュアスケートで言う、規定演技をこなしてから、加点演技をする

みたいなイメージでしょうか?

こういった提案であれば、明らかに、お客様に対して投下している検討時間の総量が多い=愛も多いということが伝えられるので、

受け取ってもらえる可能性がぐっと高まると思うのです。

言い方を変えると、このステップがあるからこそ、本当に良い提案だった時に、

あー、確かにこの人達は私たちのことを考えてくださっているんだな。

と思って頂ける。

きちんとオリエンテーションに対する答えを用意することをよって、お客様にとって、

オリエン返しの提案を受領しない理由を取り除いている行為になっているとも言えると思います。

その提案をお買い上げせざるを得ない状況を、作り上げているとも言えるのかもしれません。

もし、オリエン返しの提案が本当に良い提案であるのならばですが…

 

改めて、冒頭の抱っこに戻ってみます。

子供がクライアント。親が提案側と考えた場合、

明らかに彼が一番欲しかったものは、

抱っこだった訳です。

しかし、それが提案になかったからこそ

彼は自分から言ってくれた訳です。

で、その「欲しい」と言われたものが、めちゃ納得性があった。

逆オリエン返しといったところでしょうか。

まあ、今回のケースで言えば、親の立場からすると、本当はそれが一番望まれていることが分かっていたんですけど…大変じゃん

ってことで、提案しなかっただけだとは思いますが…

大変だからこそ、先方が一番喜んでくれるものなのかも?…

やはり、ここでも愛が重要と言うことを教えてくれているのかもしれません笑

 

「あー、その考えはなかった、お見事!1本取られましたわー」

そんな風にお客様に思ってもらえるような、提案ができるよう、徹底的に考え抜く力と体力を。

それには、相手のことを誰よりも考える愛が何より大切なのです。
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【今日のうねり】
お仕事で一番大切なことは、お客様のことを徹底的に考え抜くことだ。
それは、愛と言い換えることもできる。
こちらが考え切った結果、お客様のためになるのであれば、仮に、先方の要望と異なることであったとしても、提案をして方が良いのだ。
万が一、短期的に成果が上げられなかったとしても、愛の総量は伝わり、それがあれば長期的には良好な関係(金銭的な成果を含)につながるだ。
徹底的に考える力と体力を鍛えるのだ。