==========
令和元年霜月3日 今日もクルクル通信434号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
==========
沖縄で滞在していたホテルで、フロントに何度か電話をしました。
1回目にした時は、
「こんにちは、中田様。如何されましたでしょうか?」
との第一声。
部屋番号とお客様の名前が突合されていて、「すごい素敵な対応だな」と嬉しくなりました。
2回目に電話をした時は、
「こんにちは、如何されましたでしょうか?」
むむむ、今度は名前が呼ばれない。
普通の対応と言えば、普通なのですが、途端に印象が悪くなってしまいました。
そもそも、名前を呼んでもらえる
と、こちらが勝手に期待していたから、その分、落胆具合も大きかったのか。
ブックライターの上阪さんが、聞く技術として大切なことの一つに、
相手の名前を呼ぶこと。
を挙げていました。
人間は生まれてから、一番呼ばれるのは自分の名前。だから、呼ばれて嬉しくない人なんていない。
そう、仰っていたことを思い出しました。
あるいは、フロントからレストランの予約確認をした時も、
「人数は何名になりますでしょうか?」(今回も「中田様、いかがなさいましたか?」はナシ)
と聞かれました。
もちろん、友人やその他ゲストも交えて、宿泊人数とは異なるの予約の可能性もあるかもしれませんが、
「お部屋の人数と同じでよろしいでしょうか?」
と、その一言があるかないか?だけで、途端にこちらの気分が良くなったことでしょう。
いずれにしても、
一番最初の対応が良かっただけに、
期待値が跳ね上がってしまっていたか?
期待値マネジメントって大事だな。
なんて思いつつ、
一方で、
サービス業において、ムラをなくすことって重要だな
とも思ったのです。
サービスは受けてみるからこそ、分かることってたくさんありますね。
しかし、もし仮に、このことをホテルの方に申し上げたとして、それを聞いた担当者の方は、
「いやいや、仰っていることはわかります。でもね、こっちも色々大変なんだよ。
あんたの言ってることを全部受け取ってたら、休む暇なんかない。そもそも全部対応なんか不可能です。超人かよ!」
なんて言われるかもしれません。
確かに、おっしゃる通りです。
全てをパーフェクトにやることなんて不可能ですよね。それは承知しております。
では、そうなってくると、大切なことは、
どこで手を抜くか?
あるいは、
勝負するところを決めて、他は全部捨てるか?
ここになりますよね。
少なくとも、サービス業においては、
お客様とのコンタクトポイントだけは、手を抜くことはできない
とは思います。
コンタクトポイントにおいても、抜き方を知ってる方がいれば、やれば良いとは思いますが…得策だとは思えません。
その他の部分においては、どこでどう抜くのかは?
それぞれサービス固有の特性の中から、それぞれが見極めていくことになるのでしょう。
いずれにしろ、必ず、
力を抜くポイントと入れるポイント
があるはずなのです。
こんなことを考えていたら、真っ先に思い出したのは、
サッカーのユーゴスラビア代表のキャプテンを務め、Jリーグ創成期の名古屋グランパスエイトのでもプレーしていた、
ピクシーこと、ストイコビッチです。
彼は、自分の近郊にボールがない時は、ダラダラ歩いたり、けっこう休んでいました。
でも、ここぞって勝負の時。
自分がボールを持った時。
とてつもない輝きを放っていました。
確かに、そのプレースタイルに、特に劣勢の時は、チームメートも何度もムカついたことでしょう。
しかし、そのとてつもない輝き、ファンタジスタと呼ばれる、その輝きを見ると、
「まぁ、仕方ないか」って、仲間も持っていたと思うのです。
結局、彼は、ボールを持った時の想像力とその技術こそが、自分の強みだと完全に分かっていて、
そこで最大限の力を発揮すべく
抜くところは抜いていたのでしょう。
※全くの記憶で言っていることで、実際は、オフボールもめちゃ動いていたら、すみません。
一方で、サッカー界には、ストイコビッチとは真逆のプレースタイルの途轍もない選手がいました。
例えば、オランダのダービッツやフランスのマケレレ。イタリアのガットゥーゾ。
彼らは、テクニシャンではないですが、無尽蔵のスタミナと、攻守に渡るハードワークでチームに貢献をしていました。
「コイツは一体、いつ休んでるんだろう」
と恐らく、対戦相手だけでなく、チームメートすら思っていたかもしれません。
てか、サッカー選手の例が2000年前後と古いっすね笑
結局のところ、
スポーツであれ、ビジネスであれ、
自分の強みを理解し、どこで勝負するのか?
そこが明確になればなるほど、戦いやすくなる。
勝率も上がるし、生存競争を勝ち抜きやすくなるのではないか?
いや、ここを見極められれば、そもそも競争が減ることだってあるのかもしれません。
孫子の言うところの
敵を知り、己を知れば、百戦を危うからず
でしょうか。
宮本武蔵も、五輪書の火の巻で、
敵になるというのは、敵になったつもりで、あれこれ考えることをいう
と書いています。
サービス提供者として、敵になったつもりどころか、どっぷりサービスを提供されるからこそ、
たくさんの学びがあるのです。
*****
【今日のうねり】
何事においても、全てで100点満点を取ることは不可能だ。
であれば、大切なことはどこで抜くのか?ということであろう。
抜きどころは、商売や個性によって異なる。
そのポイントを見極める上で、大切なことは自己の理解だ。
自分の強みはどこにあるのか?
ここを理解し、相手を研究すれば、必ず成果が上げられるのだ。