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令和元年師走13日 今日もクルクル通信474号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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朝起きると、やかんに火をつけ、歯を磨き、顔を洗い。髭を剃る。その後、沸いた白湯を飲む。
いつものルーティーンです。
今朝、ヒゲを剃っている時にふと、
「どうしてジレットのT型カミソリで髭を剃っているのか?」
そんなことを思いました。
振り返ってみれば、
髭を剃るようになってから、T型のカミソリ一択。
生まれてこの方、一度たりとも、電動カミソリ(電気シェーバーの方が呼び名がポピュラー?)を使おうと思ったことすらない。
なんでだろうか?
理由は、おそらく一つしか考えられない。
父親がカミソリ派だったから。
これだけです。
幼いころ、古くは一緒に風呂に入っていた時、桶にお湯をためて、顔を洗いながらひげを剃る、父親を。
中学生くらいから髭剃るようになったと記憶していますが、
その時も、出社前に洗面所でシェービングフォームを当てながら、ひげを剃る父親。
時に深剃りをして、血を出していた父親を。
その父親に続くようにカミソリで髭を剃る兄を。
それを原風景として見てきたからこそ、なんの疑いを持つこともなく、カミソリ一択だった
と思うのです。
確認したことはないが、きっと兄も今でもカミソリを使っていると思います。
一方で、幼い頃に長い時間を一緒に過ごした、祖父は電動シェーバー派でした。
あの雑音と、熱を帯びたボディ。
あれを当てたら痛いんじゃないか?
幼心に、そんなことを思ったような気もします。
小学生の頃、マレーシアで1年生活をしていたことがありました。
初めて行った床屋で、バリカンで耳を切られ、出血。
そんなこともあり、今でも電動シェーバーやバリカンなどに若干の恐怖を抱いていることは否めませんが…
今でも、耳周りにバリカンを当てられると、緊張します笑
一瞬話が脱線しましたが、
ジレットが生み出した、この安全カミソリは、ビジネスモデルの基本形の一つとして、各種のビジネス本で紹介をされています。
入り口=カミソリ本体を最初に買うときは、安く抑え、替え刃で儲けるというビジネスですね。
これをアナロジーで引っ張って、ゼロックスが、コピー機のリースビジネスを作ったともいわれます。
家庭用のプリンターもこれと同じですね。
ネスカフェアンバサダーもこれと同じかもしれません。
今ホットなサブスクリプションモデルも、川上昌直さんは、このカミソリと同じリカーリングモデルの1種と捉えることもできると、「つながり」の創り方で書いていました。
これが、美しいビジネスモデルとされている理由の一つは、
ユーザーが、1回ボディーを買ってしまったら、そのメーカーの替え刃を買い続けてしまう。
ずっと、お客様としてあり続ける(可能性が高い)仕組みであるところです。
「本体を持っているから、ずっとジレットでいいよね。」って気持ちにさせる。
ユーザーにスイッチングコストを発生させているとも言えそうです。
でも、
そもそも、安全カミソリを使うのか?それとも、電動カミソリを使うのか?
この意思決定には、
親から受けている、原体験が大きく影響しているのではないか?
そんなことを思うのです。
少なくとも、私自身は上記の通り、原体験からの一択でしたから。
もし、親は安全カミソリだったが、今は電動シェーバーって人は、
中高生ぐらいになって色気付いたタイミングで、切り替えたのでしょうか。
髭を自由自在にデザインしやすいのは、電動シェーバー。
おしゃれで髭を決めたい人は電動シェーバー。
みたいな売り文句で。
これは単なる想像です。悩んだことがないので、当時も今までもほとんど広告を意識した記憶もほぼないので笑
あるいは、「電動シェーバーは痛くない。安全」みたいなこともあるでしょうか。
親が使っていれば、子供は何も迷うことなく使ってしまう。
子供の時に使っていれば、大人になっても、無意識で使ってしまう。
こんな消費ってきっとあるのではないか?そんなことを思うのです。
風邪薬もそんな商材の一つでしょうか。子供の時に、実家で飲んだ風邪薬をついついずっと買ってしまっているような気がします。
我が家は葛根湯でした。
マクドナルドのハッピーセットも。古くは、戦後の給食に導入されたパンも。
大きな括りではこれと一緒と言っても良いのかもしれません。
ユーザーに意思決定の際に、意識をさせない。ユーザーの無意識下に入り込んでしまう。
そんな販売戦略を描くことが出来たら、めちゃ美しいのだろう。
言うは易く行うは難し
は、十分に理解はしておりますが、ひげを剃りながら、そんなことを思いました。
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【今日のうねり】
原体験というのは、意思決定おいて大きな影響を及ぼすものだ。
原体験は、その意思決定を無意識にさせてしまうものだからだ。
であるならば、最も美しい販売戦略とは、ユーザーに意思決定をさせないもの。
無意識で購買させてしまうもの。それなのだろう。