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令和2年睦月11日 今日もクルクル通信502号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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今週が仕事始めだったという方が多かったと思いますが、この5日間で、2回も吉野家に行ってしまいました。
速い、美味い、安いは最高ですね。
一時期は「食事の時ぐらいはゆっくり美味しいものを食べたい」なんて思っていました。が、もっぱら最近は、
「そんな時間は会食の時だけで十分」そんなことを思うようになりました。
今まで以上に仕事モードに入っているってことかもしれません。
そんな愛してやまない、吉野家でことは起こりました。
時間は12時半。ランチタイムの真っただ中で数人が待つほどの混雑ぶり。テイクアウトの人も多くて、店内はごった返していました。
入り口を頂点にした三角形型のお店で、底辺の方に(お店の奥の方)の席に通されました。調理場や洗い場の目の前でした。
店員は6人でした。
三角形の頂点を担当するのが、シニアな女性。声も大きいし、接客も丁寧なんですけど、スピード感に欠ける方。
底辺と頂点を繋ぐ場所は、外国籍の方。接客は大して良くないけど、スピーディーで、やることはやるという感じ。
底辺が3人で、調理場と洗い場。テイクアウト兼その他ホールのサポート担当。
というような人員構成でした。
で、久しぶりにお見かけしたんですよね。
「俺、超忙しいんだけど。俺はこんなに頑張ってる。それが分かるだろ!俺に合わせろ!」
というオーラを体中から発している方に。
もうとてつもなく気分が悪くなりました。
洗い場あたりが彼の主戦場なんですけど、あまりの混雑具合に、ホールもサポートしている。そんなオーラを放っていました。
席に通されるなり、注文をしようとすると、
「あ、ちょっと待ってもらえますか。片付けてるんで」
と、返事がありました。(たぶん。声が小さすぎて何を言っているのか?は聞き取れず…)
なんなら、「俺が注文受けれないの、分かるだろ?」くらいに聞こえました笑
「いや、注文取れるよな」
って内心思いつつも、「怒り出したら怖いな」と思って、一旦言われるがままに待ってました。
前のお客さんのお膳が下げられ、形式ばかりに机が拭かれて、凄い雑な声で、
「注文は?」と言われました。
注文をさせて頂いた後も、その彼の行動に目が釘付けになりました。
下げ棚にたまった洗い物を、音を立てながら流しに突っ込む。
割り箸などはゴミ箱に投げ入れる。
それも「ふざけるな!って言ってますよね?何にそんな起こっているんですか?」って突っ込みたくなるような勢いで。
生卵を割る姿もすごかったですよ。卵を器に殴りつけ、殻をゴミ箱に投げ捨てる。
「おいおい、殻が入るよ」って感じです。
彼は、私がお店にいる間中ずっと、周りの人に、
「いいか、お前たち、仕事やれよ。なんでこんなに仕事できねえんだよ。遅せえなぁ。俺はこんなにやっているだ」
っていうメッセージを体中から発し続けていました。
それを受信した、他のスタッフの方も、
「こっちだって忙しいんだよ。偉そうにすんな。その態度なんだよ!」
ってメッセージを返している。そこには、お客様全員に丸見えの、無言のコミュニケーションが展開されていました。
たぶん、そのお店にいたお客様全員が、「早く料理だしてくれ。てか、その雰囲気の悪さ丸見えですよ」
とだけ感じていたように思います。
まあ、その後横に座ったお客様も、その彼の態度の悪さに、相当不愉快になっていました。
それが私にもビシビシ伝わってきましたから笑
で、この姿を見ていて思ったんですよね。例えば、
あなたが忙しいかどうか?大変かどうか?
とか
俺はやっているんだけど、周りがちゃんとやってくれない
とか。
俺は悪くない(って思うこと)
とかって本当に一切お客様(私)にはとって関係ないから。申し訳ないんですけど。
って。
全部自分のせいなんですよね。
その体中から発せられている、「俺は頑張っている。悪くないオーラ」
お願いだから真っ先に消してくれ
って。
とは言いつつ、自分だって思い当たる節がないことはありません。
特に、電通時代で、結構ありましたよ。
例えば、複数の案件が進んでいて、キャパがパンパンな時に限って、お客様から追加のお仕事を頂戴したり、
先輩から、「中田、これも」って仕事を振られたり、「再来週の来週の送別会の幹事をよろしくな」って言われるってことが。
きっと、誰もが経験されていることだと思います。
でも、じゃあここで、依頼された事項に対して、ちゃんと納期を守れなかったとしましょう。
その時にお客様に対して、例えば、
「他の案件でパンパンで、できませんでした。」
って言えますか?
先輩から依頼された仕事に対して、
「すみません、徹夜でやったんですけど間に合いませんでした」
って、言えますか?
100歩譲って、お客様ではなく先輩案件は、身内だから、甘えが出て、こんな言い訳を言える人もいると思うんです。
言いたくなる気持ちもわかります。
でも、そんなことを言った日には、おそらく先輩にこういうこと言われるんだと思うんですよね。
「いや、お前が徹夜したとか。他の仕事が忙しいとか。マジで関係ないから」
って。
「依頼されたこと、そして、それを引き受けた時点で、納期に間に合わなかったら、0点。それはプロじゃないよ」
って。
自分の事情は一切関係なく、お客様に対して正しいサービスを提供すること。
これがプロフェッショナルとしての、スタートラインに立つ、最低限の条件ではないか?と思うのです。
言い換えれば、他責ではなく、自責ってことですよね。
経営コンサルタントの一倉定さんは、
「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも全部社長の責任だ」
という言葉を残していますが、改めてこれは胸に刻んでおきたいものです。
反面教師ではあるものの、吉野家の店員のお兄さんの姿を見て、そんなことを思いました。
その昔、私はかなりの甘ちゃんでした。(今もまだ甘ちゃんかもしれませんが…)
例えば、受験勉強で第1志望に落ちるたびに、たぶん2週間くらいは落ち込んでいました。俺は「悲劇のヒーロー」だって言わんばかりに。
あるいは、幼いころは、アトピー性皮膚炎がめちゃひどくて、腕の大部分が黄色く膿が出ていたこともありました。
そんな時は、私の体からは、「俺は可哀想なんだよ。同情してくれ」というオーラを体中から出していました。
で、そのオーラを出すたびに母親に、
「かわいそうに。ごめんね。代わってあげられればいいんだけど。代わってあげられないから」
と言わせたてしまっていました。
今から思えば、終わっていますよね。親不孝にもほどがあります。
もしかしたら、「悲劇のヒーローを演じている方がかっこいい」って思っていたのかもしれません。
ほんと、大いなる誤解ですよね。勘違いにもほどがあるって。
どんなことがあろうとも、いつも笑顔で前向きに、淡々粛々とやる方がかっこいい。
少なくとも、今は、幼いころのそういった自分とはさよならをしています。自分の認識は大きく書き換えられています。
良い時は良い行動ができて、悪い時はパフォーマンスが落ちる。
そんなのかっこ悪いよ。誰でもできるって。少なくともプロじゃないよ
って。
そう思うようになりました。
恒産なくして恒心なし
という言葉があります。
これは、一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできないという意味ですが。
恒心なくして恒産なし
ってこともあるのではないか?
どんな時も、きれいな心で穏やかにいるからこそ、いつも高いパフォーマンスを発揮できる。
ということがあると思うのです。
そういう人であれるよう、今日もコツコツ積み上げていくのです。
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【今日のうねり】
自分の事情はお客様には一切関係ない。
どんな時でも、お客様に正しいサービスを提供できること。これがプロフェッショナルの最低条件だ。
「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも全部社長の責任だ」
は常に胸に刻んでおきたい。
恒心なくして恒産なし
どんな時も、きれいな心で穏やかにいるからこそ、いつも高いパフォーマンスを発揮できる。そんな人であり続けるのだ。