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令和2年睦月15日 今日もクルクル通信506号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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新宿鮫シリーズの最新刊が出ました。
これを書店で見かけてしまってから、読みたくて仕方ありません。
ただ、今手を出してしまったら、丸一日が吹っ飛んでしまうので、我慢することにしています。
Kindleももう出てるんですよね。でも、我慢しています。
そんな私に、新宿鮫の作者、大沢在昌さんの、〈売れる作家の全技術〉という、書籍がリコメンドされてきました。
思わず、1クリック。
これは、角川で実施された、作家志望者向けの1年間の講義録だったのですが、新宿鮫の代わりに一気読みしてしまいました汗
この講義は、小説作家志望者向けのものだったので、内容も、プロットの作り方。キャラクターの作り方。セリフの作り方。などの小説技術について、詳細に語られていました。
素人の私には、このレベルのテクニックは、too muchだったのですが、
「これがプロの小説家の入り口レベルかぁ」という驚きがありつつ、何より、小説家の卵に向けられた大沢さんの「プロの小説家として矜持」には震えるものがありました。
例えば、
・一番本を読んだのは、高校2年の時。その時は1年で1000冊読んだ。毎日3冊ずつ、図書館の棚の端から全部読んでいった。作家になるまでも毎年500~1000冊読んだ。今でもこれくらいは読んでて当たり前。プロの作家はみんな読んでいる。よく勉強しなきゃダメだ。
・毎日必ず書く。少なくとも10枚。多い時は20枚書く。1年365日ほとんど休まずに原稿を書くという作家は数多くいる。毎日書かなければ気持ちが悪いという人もいる。車のエンジンと同じで一旦冷えてしまうとなかなか回転が上がらない。
・1年365日、作家に休みはありません。眠っていても、書きかけの小説の続きを考えているのが小説家という人間です。
・傑作を1本書いた、文学賞を取った、ベストセラーになった。これで一生安泰だと思ったら大間違い。その後書けなくなる人、書いても全く売れない人、ビジネスに繋がらない人を出版社は冷酷に切り捨てていく。
・どんな世界でも、ある水準以上のものを必ず出せるのがプロの条件。
・前の作品よりも良いものを書くことを常に求められる、それがプロの世界。そこまで行けるのか?胸に手を当ててよく考えてください。根性がない人間は、生き残れませんよ。
などです。
あんなハードボイルド小説を書く作家さんですから、熱くて当然ですかね。めちゃかっこいいす。
他にもいくつもありましたが、機会があれば紹介したいと思います。
なぜこの書籍を手に取ったのか?
確かに、書くことについて関心が高まっていることは事実です。
でも、実はそれ以上に、作家という、「筆1本で戦う」職業に興味があったから。
もっと言うと、今まさに、自分の体ひとつで、商売をする私にとって、学ぶべき姿勢、行動指針といったものが書かれているのではないか?
そんなことを思っていたこともあったように思います。
具体的な書く技術においては、残念ながらレベルが違いすぎて、及びではないなって思うことばかりでしたが、「これは!」とも思うところもありました。
それは、
最初に作った謎、「結」(起承転結の)で解くというストーリーを組み立てたなら、その謎を2/3のところで1度解いてみる。そして、解いてしまった後にどんな謎が生まれるか?を考える。そうすれば、物語に奥行きが生まれるし、中だるみを防ぐこともできる。
多くの人がすべてのオチを「結」に持ってきてしまう。もちろんこのオチで終わらせようと考えて書き出したのに、途中でそれを解決してしまって、さらに二つ目のオチを考えるというのは非常に難しいことだ。
でした。
まさに。私はこのブログの分量を、修行のつもりで、3000文字に近づける努力をしています。
この目標を立てた時は、平均1200文字くらいで、この3か月ほど、3000文字にするために試行錯誤をしています。
以前のブログは、1つの投稿に対して、気づきが1つと言う形でした。これだと、1200文字ぐらいになります。
でも、この書き方だと、とても目標に達しない。となると、
より重層的に、自分が気づいたことについて考える必要があるんですよね。
例えば、
自分の過去の経験を引っ張り出してきたり、
気づきと近しいと思われる別の事例を持ってきたり、
この気づきをもう一階層深く考えてみると、どういうことが言えるのか?
など、自分に問いかけてみたり。
そんなことが必要なことが分かってきました。でも、難しいんです。めちゃ。
そんな試行錯誤の日々でしたから、この箇所が妙に刺さったのです。
もちろん、レベルは天と地ほどの差がありますが、プロでも、難しいことなんだなって知れてちょっとほっとしました笑
このトライによって、ブログが読みやすくなっているのか?より一層面白くなっているか?はさておき…
大沢在昌さんも書いていたんです。
自分の初期の作品は、正直、今から見ればひどいものばかりだ。でも、それがあるから今がある。書き続けたから今がある。
って。
ドラゴンボールだって、るろうに剣心だって、スラムダンクだって、鬼滅の刃だって、1巻と、15巻じゃ絵のタッチはまるで違いますよね。
書くにつれて、画がどんどん上手くなっていっています。
旅の恥はかき捨てならぬ、書きの恥は書き捨て
なのかもしません。(僭越ですみません)
どんな世界でも最初から上手い人なんていない。
超一流に人も、サナギ時代がある。
それが当たり前なのですから、迷うことなく、恥を晒しまくって、目標に向かって行動し続ける。
ってか、そもそも誰も見てないんですから笑
ガンガン動き続ければ良いのです。動き続けるのです。
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【今日のうねり】
物語は、当初想定したオチを2/3で使ってしまって、そこからさらにもう一つ、オチを考える。これが出来れば、さらに深みも厚みも増すのだ。
作家の世界には「ここまでやったら終わり」ということもなければ、「ここで終わり」ということもない。
常に良いものを出し続けなければならない。自分の仕事もこれと同じだ。根性が必要だ。
どんな世界でも、最初から超一流の人など存在しない。さなぎ時代があるのだ。それが当たり前なのだから、
迷うことなく、恥をさらしまくって、目標に向かって行動し続ければよいのだ。