「インテル、入ってる」って、そりゃ、入るよ

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令和2年如月7日  今日もクルクル通信528号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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インテル、入ってる

その昔、テレビでこのサウンドロゴを聞かない日はなかったように思います。

NECだろうが、東芝だろうが、富士通だろうが、どのパソコンのCMを見ても、最後には必ずコレ。

でも、「インテル、入ってる」ってことは、分かったけど、一体どういうことなのか?

分かっているようで、分かっていなかったのですが、20年の月日を経て、やっと昨日理解することが出来ました笑

昨日打ち合わせをしていた、先輩の弁理士、小林茂さんの話の中に出てきたんです。

この「インテル、入っている」って、知財戦略も絡めた、とても美しいビジネスなんですね。

 

何が美しいのか?

インテルは80年代後半、DRAMメモリーで、日本企業に負けてしまった。

そこで、メモリーは捨てて、パソコンのCPU(基幹部分)に一点集中し、高性能のCPUの開発に成功した。

その後、そのCPUを組み込んで標準化した、マザーボードという「中間部品」を開発。そのマザーボードがあれば、良いパソコンを作ることが容易にできるようにした。そこから、

なんと、そのマザーボードの知財(ノウハウと権利)を台湾のメーカーに提供したそうなんです。

台湾のメーカーが作る、そのマザーボードは安い&高性能ですから、あっという間に世界中に広がった。

それをデルやNEC、東芝などのパソコンメーカー各社が使って、パソコンを製造して販売していった。

パソコンが普及すれば、マザーボードが普及する。

このマザーボードもインテルのCPUなくして、パフォーマンスを発揮しないようになっているので、

マザーボードが普及すればするほど、インテルのCPUが売れる。

良いパソコンを作りたかったら、インテルのCPUが必要。

という構造を作ったそうなんです。

なので、まさに、どのメーカーのパソコンにも、

「インテル、入ってる」

って状態になっていった訳です。

たしか、このCPUの部分は、インテルが特許を持っていて、他社が作れないことになっていたらしいです。

Wikipediaによると90年代、インテルのCPUのシェアは

70%越え。

恐るべき、ビジネス。

このインテルの事例は、ビジネスは、一点突破から始まる

という学びもあるかもしれません。ですが、私はそれ以上に、

どこで、マネタイズをするのか? これこそ、ビジネスの肝と思わざるを得ませんでした。

それ次第で、ビジネスが美しくも、醜くもなるんですよね。

この事例で言えば、CPUを作った段階でも、マザーボードの標準化に成功した段階でも、高額にして販売することもできたと思います。

マザーボードでビジネスをすることもできたと思うのですが、それをしなかった。

マザーボードを他社に渡し、普及させる。でも、本当の根幹であるCPUだけは自社で守り、そこでビジネスをした。

この発想って本当に凄いなって思ったんですよね。

自らの強みを理解し、そこに特化。さらに最も成果の上がるモデルを組んだことに美しさを感じたのです。

インテル、入ってる

って、すごい商売ですよね。改めて。

ちなみに、超余談ですが、この「インテル、入ってる」キャンペーンは、日本発のグローバルキャンペーンらしいです。

 

このように、開放することによって、他社を巻き込むことによって普及させる。

その上で、自社がしっかり儲かる仕組みを作る。

QRコード

も、実はこれも成功事例なのだそうです。

QRコードって、自動車部品メーカーのデンソーが特許を持ってる

ってご存知でしょうか?

あのDENSOです。

このQRコードですが、

元々は自社の工場の部品を管理する手法

として開発されたそうです。

90年代に入って、部品の数が増えすぎて、従来の、バーコードでは生産管理が難しくなってきた。

読み取り手間も大変。それを解決する手段として開発されたのが、QRコードだった。

これによって大容量の情報を、従来比10倍以上のスピードで、読み取れるようになったそうです。

詳細はこちらにありますので、よろしければ是非お読みください。

それがあまりに便利だったので、DENSOは、QRコード技術を世の中に開放したそうです。

製品が高度化されば、部品が増え、管理が大変になるのは自動車工場だけではない。

例えば、パソコンを作ってるところも、エアコンを作っているところも、冷蔵庫を作っているところも、テレビも作っているところも、

製造現場では、部品管理で困っていたので、QRコードは普及をしていった。

ただ、そのQRコードを読み込むリーダーの特許だけはDENSOが持っていたそうです。

なので、QRコードが普及すればするほど、DENSOが儲かる仕組みになっていたそうなんですよね。

QRコードの技術で儲けるのではなく、そのリーダーで儲ける。

これもまた、

どこで、マネタイズをするのか?

という、視点が凄いですよね。「美しい」って思ったんです。

 

弁理士の小林さん曰く、いずれも、商品を開発している段階から、ここまでのビジネスデザインはしていなかったのではないか?

さすがに、そんなところまで設計してやっていたら、魂胆が見えすぎて、誰も賛同してくれないんじゃないか。

作りながら走っていた時に、

「あれ、これって、こうやったら儲かるんじゃね?」

「こうやってやったら、みんなも喜ぶし、自分たちも儲かるんじゃね?」

みたいな感じで生まれたんじゃないかって。

確かにそうかもしれませんよね。みんながハッピーでかつ、自らも儲かる。そんなビジネスは、走りながらじゃないと作れないかもしれないですよね。

「インテル、入っている」も、パソコンメーカーからすれば、マザーボードによって良い製品が作れるからハッピーだったでしょうし、

ユーザーは高性能のパソコンを使えるから、ハッピー。インテルは儲かるから、言うまでもなく、ハッピーだった訳です。

(メーカーは利益率が低くてハッピーじゃなかったかもですが…)

で、インテルは、ちょっとだけ自分達が「美味しい」思いができるように、

知財戦略を投入したってわけです。

デンソーも同じですよね。

いずれにしても、商売の基本はお客様がハッピーで、自分もハッピー、それが前提にあります。

その上で、ほんのちょっとだけ、自分が美味しい思いが出来るデザインをする。マネタイズポイントを設計する。

そこで汗をかけるかどうか?が「美しいビジネスモデルかどうか?」を決めるのではないか。

滅多に触れることのできない、知財戦略の話を聞いて、そんなことを思った訳です。

「美味しい」ビジネスを生み出せるようになるには、「美味しい」ビジネスをたくさん知るってことは、欠かせない。

学びなくして成果はないのです。
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【今日のうねり】
どこでマネタイズをするのか?
それが「美味しい」ビジネスかどうか?を決めるのだ。
そのポイントは、自らのビジネスの肝はどこなのか?
正しく理解しておくことが欠かせない。
そもそも、ビジネスは関わる全ての人がハッピーになることが前提。
そのうえで、自らがちょっとだけ美味しい思いが出来るようにマネタイズを考えるのだ。
それを考えるにも、たくさん「美味しい」ビジネスを知っている。学びは必須なのだ。