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令和2年如月28日 今日もクルクル通信549号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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先日、お客様15人の前で話をさせて頂く機会がありました。
ざっくり、「こんなことを話して欲しい」というテーマはお客様から頂戴していたものの、中身は基本こちらにお任せでした。
その準備の過程で、私がお客様と接する中で感じていたことを考えれば、考えるほど、
「ズバリ、そのテーマにお答えしない方が良い。もっと、別のテーマを中心にした方が良いのでは?」
と思うようになりました。で、勝手にその方向で準備を進めていました。
しかし、内心は、
「このまま責任者の方にダマで、当日話をしてしまってよいかな?いや、びっくりされても困るから報告したほうが良いかな?」
なんて悩んでいました。結局、前日にその方向性をご報告することにしました。
なぜ悩んだのか?と言うと、
「依頼した内容を超えて、やってほしいことに応えてくれた!」という驚きをお客様に与えることが少しでも出来たら、サービスとしては良いんじゃね!」
って思う気持ちと、一方で、当日いきなり、依頼内容と異なるテーマを設定されたら、お客様は、
「あれ?これって、依頼した内容と違くない?」って思われてしまうのではないか?もし、そうなってしまったら、そこでシャッターが落ちてしまって、伝えたいことが届かないんじゃないか?
という両方を考えていたからです。
この企画自体が初めての試みでしたので、プレーファーストで後者を選択することにしました。
結果的には、<仕事として>はこの選択で間違いなかったです。
責任者からは「お任せ」とは言われてはいましたが、彼と事前に話す内容をきちんと握れている状態を作れたので、双方が安心、納得してその仕事を進行で出来ましたから。
<仕事として>は良かったんです。
実際に当日お話をさせて頂いて、ありがたいことに、それなりにご好評を頂けました。
で、でもです。
<話者として>はどうだったのか?という観点で言うと、
「やっぱり、事前に話さない方が良かったのではないか?」
そんなことも思ってしまった訳です。
事前にお客様に話す概要をお伝えし、「そこで握れてしまっている」という安心感が、話をするという<ライブ>においてのプレッシャーをそいでしまっていたのではないか?
もちろん、それでもプレッシャーがゼロではなかったですが…
しかも、今回は、ちょっとお題と異なるテーマを「敢えて用意をしていた」。オリエン返しをしているのですから、
どうせだったら、<ネタバレなし>でやった方がワクワクもドキドキも大きかったのではないか?
なんてことを思ったんですよね。
振り返ってみれば、そのワクワク&ドキドキは、前日に責任者にお伝えしている時の方がありました、気持ちも盛り上がっていましたから。
そこで、「そっちの方が良いですね!」って言われたときはやっぱり嬉しかった。だからこそ、この喜びは<ネタバレなし>でやっていたとしたら、破格に大きかったのではないか?
なんて思ったのです。
役者さんが、「舞台初日がいつも緊張する。その緊張感を忘れずに、それ以降も演技をしたい」なんてことを言っているのを聞いたことがあります。
準備をして、初めてそれを皆様にお見せする場と言う観点では、今回の私の仕事も同じです。
舞台初日でした。もちろん、比較にもならない劣後の劣後版であることは承知をしておりますが…笑
その「初お披露目の場」は、「自分の準備してきたことはお客様に喜んでもらえるだろうか?」というワクワク&ドキドキが大きいからこそ、超一流の方でもいつも緊張するのではないか?
演技のクオリティの問題ではなく、役者さんの気持ちの問題もあるのではないか?
そんなことも思いました。
このように考えれば、実際に話をした日は二日目と言えます。
もう、お客様の反応はほぼ想定できているので、終わった後の振り返りも、
「あんなことをもっと話せばよかったのではないか?これはいらなかったのではないか?」
と言った、細かい部分にばかりが出てきました。初日は全く考えなかった、スキルに意識が行くように変化していました。
もしかしたら、役者さんも、同じ演目は二日目以降は、「よりよい演技」を求めて細部のチューニングをしてパフォーマンスの質を高めていっているのかもしれません。
でも、この二日目以降には、初日のあのワクワク&ドキドキはないのでしょう。
その代わりに、全く別のエクスタシーがあるのだとも思いますが、今の私には想像がつかないのですが。
入念に準備をしてきたことを人様に初めて放出する瞬間にしかない、喜びと成長がこの世にはあるのかもしれません。
次回は、<ネタバレなし>本番にチャレンジします。
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【今日のうねり】
入念に準備をしてきたことを人様に初めて披露する瞬間にしかない、喜びと成長がこの世にはあるのだ。
だからこそ、役者も舞台初日は常に緊張するのであろう。
そして、話者もそれは同じなのではないか。
話す内容とその反応が事前に分かっているとしたら、ワクワク&ドキドキが少なくなってしまう。
それが少ないと、喜びと成長が少なくなる。
緊張は高まるばかりであるが、一流の話者を目指すなら、適度な緊張に晒されなければならないのだ。