師匠→弟子。精神性の継承を考える

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令和2年弥生22日  今日もクルクル通信572号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「コロナの影響?全くないですね、その影響で「暇だ!」って騒いでいるお店は、普段から美味しくないです。人気なところは変わらずにお客さんが入っています。

弱肉強食の世界でコロナのせいにしちゃいけませんよ。

他を気にせずに頑張ります!」

こんな身の締まるメッセージを送ってくれたのは、大分で焼き肉屋を営む友人です。

こちらが勝手に「コロナの影響を受けて、お客さんが減っているんじゃないか?」って心配して連絡をしたのですが、「失礼しました!」って感じでした笑

いやー、さすがですね。せっかくなので、彼が修業をしていたお店に連絡をしてみると、

「コロナの影響?全くない。むしろ先月末から毎日大入りで大変だよ。2時間は待ってもらってるんじゃないか」

そんな返事がありました。「はい、失礼しました!」ですね。

どうやら、師匠も弟子も同じようです。

弟子がメッセージにサラッと書いていた

「普段の取り組みだと思うんですよね」

という一言。ぶっちゃけ、弟子が言ってるのか?師匠が言ってるのか? 一瞬判別がつかなかったです。

師匠は常々、「毎日が勝負」と仰っていますからね。

もう無意識で使ってしまうほど、言語が乗り移ってしまっているんでしょう。

そんなことに触れ、師弟関係の卒業、あるいは免許皆伝の判断基準の大きな一つに、

精神性の継承(インストール)

があるのではないか?って思いました。

師匠から弟子に伝達されていく仕事は山ほどあります。

彼らのような、料理人も、左官職人も宮大工も。噺家も歌舞伎役者も。

そういった職業においては、精神性の継承が行われているのではないか?と思うのです。

特に、歌舞伎役者や噺家といった、弟子が師匠の名前を受け継ぐ仕事においては、欠かすことが出来ないのではないでしょうか。

どう考えたって、弟子が師匠と全く同じ演技をすることなんてはできません。

顔もパーソナリティーも、声質も得意なことも、ありとあらゆるものが違うのですから同じことが出来るわけないです。

でも、修行に修行を重ね、弟子は師匠の名前を受け継ぎ、「〇〇代目××」という同一人物として芸の道を歩んでいきます。

そしてある時に、目の肥えたファンが、

「先代の面影を見た」

とか

「ありゃー、先々代によく似ているね!」

なんて言うことが出てきます。

それは、演技そのものがというよりも、それを繰り出している本人の内なるもの。精神性が継承されているからこそ。なんだと思うんですよね。

 

弓と禅>という書籍があります。

これは、オイゲン・ヘイゲルというドイツ人哲学者が、弓道を通して禅を学ぶ過程、そこにおける自己との対話や苦悩を書いたものです。

彼は、「弓聖」と呼ばれた阿波研造に師事して、弓道を通して禅を学んでいくのですが、この阿波さんが、ヘイゲルさんに弓道の神髄を教えるシーンは圧巻です。

真っ暗闇の中で、蚊取り線香の火だけを灯して、三寸的に矢を放つ。一本目は的のど真ん中に。二本目はその一本目の矢筈に当たって、矢を引き裂いていた。

蚊取り線香の火なんて、28メートル先から見えるわけないのですから、実質真っ暗闇で的を射抜いたことになります。

この現場を目撃してから、ヘイゲルさんはさらに数年修行をして、結果的には免許皆伝になります。

でも、彼は、師匠ほどの腕前になっていないんですよね。でも皆伝になるんです。

これは、腕前ではなく、師匠から学ぶべき、精神性を会得したからなのではないか?って思うのです。単なる私の推測でしかないのですが・・・

技術的には、当然まだまだ師匠には届かないが、その基礎となる精神性は身に着いた。

これさえ身に着けることが出来れば、レールに乗ったことと同じ。あとはそのまま鍛錬を続けていくだけ。

時間を味方につけて淡々粛々と積み上げていけば、しかるべき成果を上げることが出来るようになる。

だから、精神性を継承出来るかどうか?が免許皆伝の判断軸のひとつになるのではないかと思うのです。

大切なことは、技術よりも精神性の継承

なのではないかと。

人間は、人からの影響を受けて成長をしていく生き物です。

「この人は凄い!付いていきたい!」と思える人に出会うことが出来たとしたなら、目に見える表層的な部分の習得を目標にするのではなく、もっと深い部分までの習得の臨んだ方が良い。

精神性まで継承することが出来たならば、その教えが自分にとって最適化された形で、必ず結実する。

もちろん、それの方が会得するのにも時間がかかるとは思います。

でも、そこで手に入れたものは、時間がかかった分だけ、簡単に失われることは決してない。

精神性をも受け継ぐ、「胸襟全開」の姿勢を忘れずに行きたいと思います。
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【今日のうねり】
師弟関係において最も大切なことは、精神性の継承だ。
目先の技術の習得を目指すのではなく、もっと深い部分での継承が出来れば、その教えが自分に最適化された形で必ず結実するのだ。
だから、師匠に巡り合えたとするならば、焦らずに、その部分の継承を心がけることが大切なのだ。

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