それでも、「商売のど真ん中」を歩きます

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令和2年卯月1日  今日もクルクル通信582号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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トイレットペーパーなどの紙類は少しずつ棚に戻ってきているようですが、マスクやアルコール消毒液は、品薄状態が続いているようです。

コロナウイルスが話題になり始めた、ちょうど1ヶ月前は、これらの日用品が通常の価格の数倍で販売されていたり、高額転売がされているなんてことをちらほら見聞きしました。

これは、供給量に対して需要過多。需給バランスが崩れ、その商品価値が上がっている。だから値段を上げても売れる。

希少性が高まっているこんな時期だからこそ、高く売るのが商売の当たり前。商売の基本。

って考えが反映されているんだと思います。

確かに、これは、「商売の当たり前」なのかもしれません。

でも、私にとっては当たり前ではないんですよね。むしろ、「そりゃないよ!?」って話なのです。

この一連の価格高騰という事態に触れて、最初に思い出したことは、イエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんの話です。

イエローハットは車のチェーンやワックスなど車関連備品を販売している会社です。そもそも鍵山さんが「この商売をやろう」と思ったきっかけの一つは、

「この業界が粗野だったから。言葉や態度。ものの考え方も、例えば、人が困ればもうかるような考え方だった」からだそうです。

例えば、急な大雪でチェーンが必要になった。そうなると、欲しい人がいっぱい出てくる。在庫が足りないから、その商品を定価の何倍で販売していることが普通にあったそうです。

それはおかしいよね。良い商品を適正な価格でどんな時でも売る、そういったことができないのか?

創業当時からずっと、そうやって商売をやってき来たそうです。

今では、「イエローハット」という名前ですが、創業当時は、「ローヤル」という名前だったそうです。

その意味は、文字通り、

手練手管を使わずに誠実にコツコツ商売をする。商売の王道を行く

です。この鍵山さんの世界で言えば、どんな時でも同一商品同一価格が常識なんですよね。

例え、今回のように需給バランスが崩れて高くても売れる時があったとしても、同じ価格で売るってことです。

イエローハットは現在売上1,000億を超える企業になっていますから、この考え方も「商売の当たり前」と言えるのでしょう。

どっちが良い悪いって話ではなく、完全に倫理観や思想の違いです。

 

そして私は、圧倒的に鍵山派です。

そもそも、私は呉服屋で育ちました。この呉服屋は、大正生まれの祖父が始めたお店で、そのモットーは、

「良い品物を安く仕入れて安く売ること」

だそうです。幼い頃からそのように聞いて育ちました。

正直、それがどの程度リアルな話なのか?は当時の私にはわからなかったんですが、10年以上毎晩のように祖父の横で夕飯を食べていて、例えば、

「今日はいつもより高く売れたから良かったねー」

なんて話を1度たりとも聞いたことがないので、本当なんだと思います。

何より小さいお店とはいえ、70年以上続いているのですが、それは守られているのだと思います。

ですので、私が、鍵山さんの書籍に出会って心震えたのは、この祖父の「商売の当たり前」がDNAに埋め込まれていたからなのかもしれません。

きっと、この鍵山式の当たり前の本質は、

「目先の儲けよりも長期的なお客様との関係の方が圧倒的に大事」

ということなのだと思います。

例えば、いつもの米屋さんで、いつもの八百屋さんで、いつもの薬局で、いつものお米が、ニンジンが、トイレットペーパーが、「品薄だから値段上げます」って言われたら、「えっー。そりゃないよ」って思うじゃないですか。

確かに仕入れ値も高くなって、いつも値段で売ると赤字になっちゃうってこともあります。それ自体が、自らの首を絞めるリスクがあるってこともあるかもしれません。

でも、そんな時でも、ぐっと耐えていてくれたとしたら、誰もが「あのお店は、あの時もよくやってくれたんだよ」って思うし、忘れないんだと思うのです。

それがファンを生むこと。信頼を積み上げることに繋がる。その結果、商売が長期逓増していくのだと思うのです。

「そんなのきれいごとだ!そんなことやって、自分がつぶれたら元も子もないじゃないか!」

そんなツッコミも聞こえてきそうです。確かにそれも否めません。可能性もゼロではありません。

だから、その商売の当たり前をどちらにするのか?は倫理観の問題なのです。

それでも、私は、

手練手管を使わずに誠実にコツコツ商売をする。商売のど真ん中を歩きます。

そんな大正節?は今では全く流行らないかもしれません。でも、「流行らないからこそ良い」とすら思って突き進むのです笑
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【今日のうねり】
商売には当たり前がいくつかある。
「売れる時に高く売って、儲けること」が商売原則と言う人もいるだろうし、「どんな時でも一律の値段で売ること」が原則と言う人もいるだろう。どちらが良い悪いはない。倫理感の問題だ。
でも、後者で生きる。それはお客様との長期的な関係を何よりも大切にするからだ。それが長期逓増の原則だからだ。
手練手管を使わずに誠実にコツコツ商売をする。商売のど真ん中を歩くのです。