「異種格闘技戦」が繰り広げられる、ランチ激戦区に学ぶ

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令和2年皐月30日  今日もクルクル通信641号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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東京は神田、須田町。

あんこう鍋の<いせ源>や鶏すき焼きの<ぼたん>。日本そばの<藪蕎麦>に<松屋>。いなり寿司が有名な<志乃多寿司>。

などなど、伝統ある名店がひしめくグルメ街です。

今までは、夜しかこの街に来たことがなかったのですが、4月以降、私のワークプレイスはここ界隈なので、昼の須田町も満喫させてもらっています。

この街は、ランチも大激戦区でした。全然知らなかったんですが。

上記<藪蕎麦>、<松屋>に加えて、中華の名店<雲林>。とんかつの<万平>。

カレーも、僅か50メートルの距離に、<アロマズオブインディア>というインドカレーと、ジャパニーズカレーの<トプカ>という超名店が2つもあります。

カレーといえば、日本の発祥の地とも呼ばれる、神保町にも徒歩10分。

ここには、<ボンディ>、<共栄堂>、<エチオピア>に<オオドリー>もありますから、カレーは「超」がつくほどの大激戦区といってよいでしょう。

とんかつも、<万平>に加えて、<やまいち>に<ポンチ軒>もあります。

ラーメンは<つじ田>、<つじ田の担々麺>、<お茶の水大勝軒>などなど。

ほんとに、選択肢多すぎで困ります笑

ただ、意外と少ないのが和食。(いせ源&ぼたんは現在休業中)

昨日、銀ダラ西京焼きとかぶりの照り焼き定食とか焼き魚が食べたくなり、散歩がてらお店を探しました。

すると、メニューの一番上に「焼き魚」と書いてある、それっぽいお店を見つけました。

そもそも、この激戦区の須田町だし、間違いはないだろうと思って入ることにしました。

入ってみると、お客様はゼロ。

丁寧に接客をしてくださった、お店の方に、「初めてなのですが、何がオススメですか?」

と尋ねると、

「今日はこれですね!」と指さしたのが、魚ではなく、まさかの「豚肉の卵とじ」でした。

「あっ、そうなんですね、お魚のお店なのかな?って思ってはいましたが、お肉のがいいんですねー」

「そうですね、今日しかないこれがオススメです。私も食べて凄い美味しかったです!」

力強いリコメンドをいただいたので、魚モードを沈めて、そのオススメを注文しました。

10分も経たないうちに、お料理が運ばれてきました。

メインに小鉢にご飯にお味噌汁、お漬物。

加えて、小皿に七味唐辛子が入っていたのですが…それ用にお皿に乗っていたのが、

なんとプラスチックのスプーン。

コンビニでプリンやヨーグルトを買った時に一緒についてくる「あれ」でした。

「えっ、マジ?この店構え。この丁寧な接客でこのスプーン??」

テンションが一瞬落ちましたが…気を取り直して、

オススメされた、お肉を食べました。

正直、可もなくく不可もなく。普通でした。

あのお兄さんの力強さは何だったのか…と思いながら、まあ個室だし、ゆっくり食べさせて頂きました。

その時、ふと、思いました。

「飲食店ってめちゃ大変な商売だな」って。だって、

競合って、胃を満たすものを提供している全ての人でしょ

って。

飲食店が争っているのは、客のたった一つしかない、基本は1日3回しか開くことがない、「胃袋を争う」戦いなんですよね。

ランチだったら、1日に一回。

そこをめがけて、全員が死力を尽くして戦っているんですよね。

なので、カレーはカレーで。とんかつはとんかつで。日本そばは日本そばで。というカテゴリーの中で戦っているのではなく、全カテゴリーと戦っているんですよね。

異種格闘技みたいなものですよね。強い奴が勝つ。

お客様に「美味い」と言わせたお店が勝つ。

かなり高度で厳しい戦いなんですよね。

いや、「当たり前だろ!」って思う人もいるかもしれませんが、でも本当にそうだと思うのです。

例えば、「パソコンが欲しい」と思ったら。基本的には、競合は他者のパソコンだけです。(一旦タブレットはナシで)

「お箸が欲しい」「お椀が欲しい」と思っても、やっぱり、競合はそれを提供している他社だけです。

でも、飲食店の場合違いますよね、特にランチは。

夜の会食であれば、焼き肉なら焼肉。イタリアンならイタリアンというカテゴリーのセレクションが先にあって、その中での戦いってこともありますが…

ランチは、カテゴリーなんて関係ない。競合は、「胃を満たすものを提供しているもの全て」になるんですよね。

コンビニだって競合になります。

もちろん、「今日は〇〇が食べたい気分」とか、「のどが痛いから固形物は避けたい」とか、「時間がないから」といった制約条件が発生することもありますが、

そういったものがなかったら、美味いところにお客様は集まるはずなのです。

「うまい!」は感覚的な部分に依ることが大きいですが、絶対的でもあります。だからカテゴリーに紐づくものではないんですよね。

こう考えれば、超厳しい戦いですよね。

 

近年、一気に拡大していた、ソーシャルゲーム市場の成長速度が鈍化している

という話を聞きました。

その明確な理由はいくつかあるようですが、少なくとも原因の一つと考えられていることは、

NetflixやAmazonプライムビデオ、youtube。あるいはTiktokなどメディアの台頭です。

つまり、競合は同じソシャゲ内のタイトルではなく、別のカテゴリーということです。

もっと言えば、

ユーザーの可処分時間を奪うものすべてが競合になっている

ということです。

10年前、スマートフォンが出た時にテレビの視聴時間が落ちた。テレビの競合はスマホになった。

そんな話もありましたよね。

それ以前は、テレビ局にとっての競合は、同じテレビ局の他局だけでした。

しかし、新しいテクノロジーの登場とともに、競合が変化拡大していっているんですよね。

当然、今のテレビの競合は、ソシャゲであり、youtubeであり、Netflixであり、Amazonプライムビデオであり、Tiktokでもある。あるいはズーム飲み会かもしれません。

彼らはユーザーの可処分時間を奪い合っています。ですので、競合はそれをするすべてもの

になっているのだと思います。

この観点で言えば、飲食店(特にランチ)と一緒ですよね。

ランチは、カテゴリーを超えてを問わず、お客様の「可処分胃袋」を奪い合っていて、

ソシャゲは、デバイスを超えて、お客様の「可処分時間」を奪い合っているのですから。

「可処分胃袋」なんて言葉ありませんが笑

 

こんな世の中だからこそ、サービス提供者は

まずはとにかく「美味い!」と言わせなければならない。

「面白い!」って思わせなければ始まらない。そうならなきゃお客様が来てくれないのですから。

こんな大激戦な時代を生き抜くには、

自らのサービスクオリティを上げる努力をし続けることは前提として、

自分のサービスは誰に届けたいのか?

サービスを通して提供している価値は何なのか?

そこを強く明確にできないと勝ち抜いていくことは極めて難しい。

多くのビジネスマンが毎日をお世話になっている、あなたの街のランチ業界。

そこは、古来より、高度で厳しい戦いが、繰り広げられている。

神田須田町で、味の満足度は低くとも気づきの満足度がめちゃ高いランチをすることが出来ました。

サバイブする力をさらに伸ばしていくのです。
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【今日のうねり】
ランチ業界は異種格闘技戦だ。カテゴリーなんて関係ない。「美味い!」と言わせた奴が勝つのだ。
でも、これは高度化した今の社会においては、どんな仕事でも起こっているのかもしれない。
競合は同業種だけではないのだ。どこの誰が競合になっているのか?分からないのだ。
だからこそ、「良いサービス」であることは当たり前で、それを誰に届けたいのか?
そのサービスを通してお客様に提供している価値は何なのか?
そこを明確にしないと、どんなビジネスも勝ち残っていけないのだ。