「一身にして二生を経る」 商売人は胸に刻もう。

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令和2年文月4日  今日もクルクル通信674号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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一身にして二生を経る

福沢諭吉が<文明論之概略>で書いた言葉です。

これは、

「一つの命で二つの人生」を生きた

という意味らしいです。

彼は、江戸時代は幕臣として生きた。明治時代になってからは国に仕えることなく、慶応義塾を創設し、教育者として生きた。

まったく異なる人生を歩むことが出来たから、「一身にして二生を経る」と言ったそうです。

私自身、「転職をしよう!」と決意した時に、この言葉に触れ、かなり後押しされました。

「俺も1回の命で二つ人生(職)経験しよう」

と。

あの時は、そんな気持ちでいたにもかかわらず、既に3回も職を変えているので、既に4つの人生を生きたことになってしまいます笑

「転職くらいで、別の人生?何言ってんだよ」って当時の自分には全力で伝えてあげたいです。

とは言いつつ、当時は、今の自分の姿なんて、まるで想像が出来ないので、人生はどうなるか?は全くわかりません。

 

広告代理店の営業、コンサルタントを経験し、今は自分で経営者としても生きているわけですけれども、その中で立場が、

広告を提案する側から提案を受ける側

に変わることもあります。

電通とお仕事をご一緒させて頂くこともありますし、博報堂をはじめとした、その他の広告代理店の方々とお仕事をさせて頂いたこともありました。

ただ、代理店にとっての一大イベントである、

競合コンペの提案を受ける

という経験は今までありませんでした。

しかし、ついに先日、それを経験する貴重な機会に恵まれました。

非常に新鮮な経験でした。

これは、まさに「一身にして二生を経る」と言えるかもしれません笑

電通と博報堂の2社コンペだったのですが、

「あー、当時、聞いていた話はこれかー!今も全然変わらないんだな」って思いました。

それは何か?というと、

2社の提案スタイルの違いです。

具体的に言うと、

電通は、各分野のリーダーがそれについて、それぞれお客様に対して提案するスタイルです。

「分業」制と言うこともできます。

博報堂は、提案の責任者(たぶん、クリエイティブディレクター(CD)が多いんだと思いますけれども)が、最初から終わりまで、一気通貫に提案するスタイルです。

仮に持ち時間が60分あったとしたら、そのCDが50~55分は話をし続けます。

「統合」制ともいえるかもしれません。

一方、電通は、各リーダーが入れ替わり、1人の持ち時間5分~10分で、5人のスピーカーがいるという感じです。

実際に、提案を受けることを経験して、どちらにも良い所・悪い所があるということは分かりました。

例えば、ちょっと読んだだけで想像ができるとは思いますが、電通のプレゼンは博報堂に比べると、かなり忙しく感じます。

聞きやすいのは圧倒的に博報堂スタイルであるように思いました。

(あくまで、今回の経験のみ話なので、一般性が現在どこまであるか?は分からないことはご了承ください)

で、この話って電通に在籍していることからよく言われたことなんですよね。

「博報堂は、プレゼンがうまいCDが1から十まで話す。それがめちゃクライアントに刺さって競合に負けた」

こんな話を数えきれないほど聞いてきましたが…

「それはある!」と思いました笑

でも、当時の私がそう思えるか?というと、絶対に無理なんですよね。

今回の経験があったからこそ、思えること。

「提案をする側から提案をされる側」になったからこそ分かったことなんですよね。

真逆の経験するから、自分自身が相対化される。それによって気づきが生まれるのですよね。

その経験をなくして、自らを省みること。自分自身の「当たり前を疑う」ことってめちゃ難しいんですよね。

別の言い方をすれば、「人間は経験したことしかわからない」ということです。極めて当たり前のことなのですが。

提案をする側であれば、提案をされる経験が必要。

ものを売る側であれば、売られる経験が必要。

人をマネジメントする側であれば、人にマネジメントされる経験が必要。

なんですよね。

「絶対必要」なんて断言はできませんが、「表と裏の関係にある二つのことを経験した」方が間違いなく良いはずです。

つまり、

どんな生き方をするにせよ、どんな仕事をするにせよ、「一身にして二生を経る」ことが大切なのではないか?

と思うのです。

今回で言えば、「提案をする=表」と、「提案をされる=裏」の両方(=二生き)を経験することが出来れば、

再び、表をする時は、今まで以上に上手にできる。

もしこれが真実であるならば、

日常生活が学びの場に変わる

とも言えます。

なぜなら、すべてのビジネスパーソンは一般消費者でもあるからです。

コンビニで物を買い、ラーメン屋でラーメンを食い、蕎麦屋で蕎麦をすすり、居酒屋で酒を飲む。

家電量販店で、洗濯機も買えば、PlayStationだって買います。

そこで、必ず「提案をされている」んです。

その提案を受けるたびに、「買うor買わない」といった意思決定をしているわけですし、

「良い商品だな」って思うこともあれば、「これはないな」って思う商品にも沢山触れているのです。

それを、イチイチってのは、さすがに無理かもしれませんが笑 折に触れて、考えてみる。言葉にしてみる。

そういった行為が、自分が提案をする時に活かせることがあると思うのです。

 

職を変えることが、生を経ることになるかどうか?は分かりません。多ければ良いのか?どうかもわかりません。

でも、

売る⇔売られるといった、表裏の関係にあることを経験することは良いことであることは間違いありません。

「表裏という二生を経る意識」を持って、日々の生活を送ることは、良い商売にとってはめちゃ重要なことだと思うのです。

それによって、自分自身に目が向き自身を相対化し、「変えよう」というエネルギーを生んでくれるのですから。

「一身にして二生を経る」

商売人は忘れてはならない言葉なのです。
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【今日のうねり】
「一身にして二生を経る」
商売人は忘れてはならない言葉だ。
この、提案をする、される。表裏にある関係のことを「二生」と呼ぶことにする。
良い提案をするには、良い提案を受けるのが一番だ。
そこの学びや気づきが大量にある。
日々の生活には、提案をされることが満ち溢れているので、
そこで気づいたことを折に触れて、考え、言葉にすることは、良い提案に繋がるのだ。