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令和2年文月7日 今日もクルクル通信677号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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ある中華料理屋が半蔵門にあります。
いわゆる街の中華料理屋さんでテーブル席が4席つ。あとはカウンターがあるだけ、合計20席ぐらいの小さなお店です。
特筆したメニューがあるわけでもありませんし、特別美味しいわけでもありません。失礼ですみません笑
でも、ランチタイムはいつも満席。街に人に愛されているお店なんですよね。
その理由の一つに、
接触頻度の多さ
があると思っています。
どこで接触しているのか?
というと、
道路です。
まじで、出前の量が半端ないんです。
年中無休だし、日中はさることながら、朝も、8時台からお店のロゴがついたバイクに乗ったおじさんがバンバン街を駆け抜けています。
アサイチは、前日のお皿の回収だと思いますが。
このコロナ禍でも、休んでいるのを見たことがないので、きっと、あんまりダメージを受けていない飲食店の一つでは?って勝手に思っていました。
なぜか?というと、
このお店、来店のお客様よりもむしろ、「出前」をベースに商売を設計しているように見えるからです。
何度かお店で食べたことがありますが、仮に滞在時間が30分だったとしても、その間、電話が鳴る回数がかなり多いんですよね。
1回や2回は当たり前。感覚的には5分から10分は電話が1回に鳴っている印象です。
しかも、1回あたりの注文の量がかなり多い。
「中華弁当5人前とラーメン半チャーハン。チャーシューメン」など。
ミニマムで5人前は注文を受けている感じです。
もちろん、「ウーバーイーツ」や、「メニュー」なんかのデリバリーサービスは使っていないですよ。
注文は、電話オンリー。
いつも、「リリリリィー」って電話音がお店に鳴り響いています。
この界隈の「中華の出前といったら」という純粋想起で一位は間違いなし。
と勝手に推測しています。
なんて言ったって、出前の歴史の長さと接触頻度が高いですからね。
ある時、お店の人に聞いたことがあるんですよ。
「この辺りだとどこが一番のお客さんなんですか?日テレですか?文藝春秋社ですか?宝島社ですか?」
って。
立地上、こういった「不夜城」系の会社があるので、それがここの商売を支えているのではないかって思いまして。
すると、思わぬ回答が。
「一番多いのは機動隊です!」
「いやー、その手があったか!」って思いましたよ。
聞くところによると、北の丸公園の横に、<第一機動隊の拠点>があるらしいですよね。そこが一番の太いお客様らしいのです。
「そりゃ、固い!」あの発注ロットも納得せざるを得ません。
確かに言われてみれば、その方向から帰ってくるおじさんを一番よく見ますもん笑
たぶん、バイクで10分かからないくらいの距離ですし。
街の中華料理屋で、かつ、地域の出前マーケットで一位を獲得する。年中無休365日出前も対応。
一店舗商売であればアリですよね。
多店舗展開は考えていないと思いますので。
「自社で出前」なんて、今では古臭いかもしれませんが、今の時代においては、一巡して最先端かも?
なんて思っています。
ウーバーも使っていないですが…その分、利益率も高いでしょうし。
一見、古臭いように思われた時代もあったけど、一巡すると最先端
こういった話って、意外とあると思うのです。
私が電通時代に担当させていたお客様の仕事にもそういったものがありました。
それは、「紙の広報誌」です。
出版の頻度は四半期に1回。自社のクライアント。中でもエグゼクティブ向けの広報誌で、クオリティが尋常じゃなく高かったんですよね。
実際、制作スタッフも超一流で、無料でお客様に配布する企業の広報誌のレベルは圧倒的に超えていました。
ぶっちゃけ、書店で有料で販売していても、全くそん色のない品質だったと思います。
テーマももちろん、毎回の巻頭インタビューは特に凄かったですね。
例えば、
杉本博司さん(今、まさに、「私の履歴書」に連載中)
CWニコルさん
押井守さん
谷川浩司さん
などなど。
数え上げたらきりがないくらい、とにかく錚々たるメンバーが登場して下さいました。
この中の幾人かは実際に取材の場にも同席させて頂き、めちゃ貴重な経験となっています。
この制作過程で、
もう紙媒体は古くないか?
オンラインだけで十分ではないか?
そんなことが何度も議論をされたのですが、一貫して、
「読んで下さっているお客様と、その目的を考えると、紙であることが必須」
という判断で、ずっと作り続けて行きました。
すると、ある時から、
「あの広報誌、素晴らしいよね。あんなものを作っている会社は他にはない」
そういった、お言葉を読者(お客様)から頂くようになったんですよね。
これもまた、
一周回って時代の最先端
だったなーって思っています。
まあ、最先端と言うか、「逆にエッジが効いた」と言いますか。
いずれにしても、図らずとも、超目立つことが出来ました。
このように、
モノ作りでも商売においても、大事なことは「信念」を持ってやり続けること
なんだと思います。
もちろん、時代の流れに積極的に抗おうという話ではありません。
ただ、自分の信念を曲げてまで、合わせることが必ずしも必要ではないとも思うのです。
まあ、中華料理屋のおじさんに、「信念」について、インタビューをしたわけではないので分かりませんが笑
広報誌で言えば、
「企業姿勢を伝えるコミュニケーションツール」として、そのクオリティと紙面であることもこだわり続けていましたからね。
実際、それが評価されてなのか?いくつか賞も受賞しましたしね。
信念を持って、「これだ!」と思うことをやり続けていたら、そこにはきっと、ファンが集まる。
ましてや、このインターネット全盛の時代はかつてないほどにそれが容易になっていると思います。
だからこそ、
やれ、あれがどうだ
周りが、会社がこういっているから。
時代がこうだから。
とか。
そんなことに振り回されるのではなく、自分(と仲間)が信じた道をいく。
そういった生き方もアリなのでは?と思うのです。
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【今日のうねり】
時代や周りに振り回されることなく、自分の信じた道を行く。
仮に、古臭くない?って言われることがあったとしても、そんなの関係ない。
一巡して、それが時代の最先端になることもあるのだから。
大切なことは、信念も持って生きることなのだ。