「まさか」からの復活劇を目の当たりにする。そんな経験。

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令和2年葉月1日  今日もクルクル通信702号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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本日8月1日、<ホキ美術館>がリニューアルオープンしました。

一昨日の木曜日にそのプレス発表会があり、ボランティアでお手伝いをさせて頂いておりました。

ご存知でない方もいらっしゃると思いますが、

ホキ美術館は、世界でも「稀有な」写実絵画専門の美術館です。(2010年のオープン当初、世界にはホキ美術館しかありませんでした)

その展示作品や美術館そのものの美しさも含めてとても素晴らしい美術館です。

ですが、大変悲しいことに、昨年10月25日、千葉県を襲った豪雨によって、大変な被害に遭い、その日以来休館を余儀なくされていました。

その日は東京では雨は降っておらず、ただ風が強いだけの一日でしたので、そのニュースを聞いたときは、ただただびっくりするだけでした。

10か月の時を経て、やっと営業を再開できる準備が整ったということで、一昨日の木曜日にプレス発表会を実施いたしました。

どれほどの被害を受けていたのか?と言いますと、

絵画の所蔵室に2メートルほど水が浸水。100点の作品が水害に遭いました。

そのうち50作品が、修復を余儀なくされ、現在30作品が修復完了。残りの20点も、現在修復作業中とのことです。

被害直後は、

作品が箱から出て、水面にぷかぷか浮いていた

そうです。

所蔵室では、大きな作品ほど下の棚に保存をしていたようですので、大きな作品ほど被害にあったそうです。

しかも、電気室が地下にあったため、完全に電気周りが機能不全に。

その被害を発見した当時は、美術館は真っ暗だったそうです。

「真っ暗な空間の中に絵画がぷかぷか浮いている」

そんな話を聞いている時、私の脳には、映画<タイタニック>のシーンが浮かんでいました。

それはさておき、

絵画は、水に浸されることを想定して作られておりませんから、作品によっては大変な被害に遭われたそうです。

中にはキャンパスに石膏が使われているものもあるらしく、水から作品を取り出すと、それが溶け出し、その真っ白な色が、作品にかかってしまったこともあったそうです。

言わずもがな、そういった絵画の修復は、大変な手間暇と技術が必要で、他にも、壁や地面の張替えなどもあり、とにかく大変な苦労があったそうです。

 

このような苦難を乗り越えて、無事に営業を再開することが出来ました。

その再開に当たり、ホキ美術館の原点となった、<森本草介>展を開催しております。

今回のメインの作品として取り上げられている、「午後のくつろぎ」の女性の唇も色が剥げてしまって、修復したと聞きました。

何をどう修復したのか?

素人の私には全く分からないレベルですので笑 素晴らしい修復技術なのだと思います。

 

プレス発表会終了後、タクシーで最寄りの駅まで向かったのですが、その道中に、交互通行になっている場所がありました。

そこを渡っているときに運転手さんが、

「この道路、半分なくなっているでしょ。10月の雨でがけ崩れにあったんですよね」

と言い、

たしかに、見事に道路が半分なくなっていました。

絵画は水没してしまうし、道路は半分削り取られるし、その自然の恐るべきパワーを感じました。

日常生活でそれを意識することはまったくありませんから、なおさら怖いものです。

 

今回の話から学ぶべきことは、大きく二つあります。

一つ目は、思いも寄らないことが、人生には起こるということです。

「まさか」ってやつですよね。

今回の雨量は、そもそも美術館の設計想定をはるかに上回っていたそうです。

ですから、あの雨が降った段階で、被害が出てしまうことは免れなかったようです。

今回のコロナも同じ類の出来事かもしれませんが、

人生には何かわからないけど、何か想定しない「負の出来事」が起こる。

これは、常に頭の片隅に置いておくべき。

そして、実際に起こってしまった時は、最大限の対応策を講じれるように、精神的にも物理的にも準備をしておくしかないのです。

そして、もう一つは、

再生力の重要性です。

流行りの言葉で言うと、「レジリエンス」ですね。

美術館の魂である、作品と美術館自体も大変なダメージを受けたにもかかわらず、

1年も経たずに、もう一度お客様を呼べる状態に戻すこと出来るその力。

美術館に関わる全ての人の力が掛け合わされた、復活する力には感服せざるを得ませんでした。

この事実を知らずに美術館に訪れた人は、一切そんな大事件があったことなんて気づくことはないと思います。

それぐらい、依然と変わらない姿を取り戻しています。

何が起こるか分からないからこそ、起こったときに真価が問われるんですよね。

これは、個人にとっても大切なことですよね。言うまでもなく。

そんな再生力は、当然ながら、一朝一夕で身につくことができません。

日々努めて積み上げていくしかないのです。

 

是非、復活したホキ美術館にエールを送るべく、美術館まで足を運んでみてください。

美しい作品たちに息を呑むこと、間違いないありませんから。
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【今日のうねり】
人生は、「まさか」が起こるものだ。
その「まさか」がどんなものなのか?は誰にも分らない。
でも、それが起こったときに、どう対処するか?
その再生力。復活力があるかないか?で人としての真価が問われるのだ。
その力は一朝一夕では決して身につかないので、日々積み上げていくしかないのだ。