楽観という意思を手に入れるには?

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令和2年葉月7日  今日もクルクル通信708号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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今月の月刊「致知」、巻頭インタビューが人間国宝の狂言師、野村萬さんでした。

恥ずかしながら能も狂言も見たことがないのですが…珠玉の言葉がたくさんありました。

例えば、

技術と人間性が相まって芸になる

や、世阿弥の言葉である、

数人(しゅにん)哀憐のしほをもちたらん生得は、芸人の冥加なるべし。

意味は、生まれながらに体からにじみ出てくる愛嬌を持っているのは、芸人として、なんと素晴らしいことだろう。

などです。

この愛嬌も、人間を磨くことによって、自然に備わってくるもの。

とも語られていました。

実際、野村さんご自身が、何度もお父さんから、「お前は愛嬌がない」と指導されていたそうです。

やはり芸の道を極めし者が語る言葉の重さは格別ですね。

 

そのインタビューの中で、少しだけ触れられていた、コロナに関わる話が非常に印象深かったです。

野村萬の家は、八代以上続くの能の名門です。

彼は今年卒寿を迎えました。

祖父は明治維新の経験者。

それ以前は、加賀の前田家の庇護の元にあったそうですが、明治維新によってそれも終わり、東京に出てくることになったそうです。

お父さんは、関東大震災と第2次世界大戦を経験者。

能楽堂が焼けてなくなったことも、空襲で、実家が全壊。家にあった、狂言道具も全て無くなったそうです。

自分が背中を見てきた「大先輩」がこのような難局を乗り越えてきたのだから、コロナに負けるわけには行かない。

必ず乗り切ることができる。

そんな話でした。

この解釈の力は、芸能の家ならではだと思いますが、受け継がれるものの力ってのは確かにあるんですよね。

以前、「みかづき」を読んだ時も、<昭和館>の掲示板を見た時も書きましたが、

より長い時間軸で人生を捉えることができるか?

その時間軸で捉え直したら、良いことも悪いことも起こるのが人生。そしてそれらは、全く予期できないものなんだよね。

って考えることもできます。

こういった考え方を持てるかどうか?で生き方は大きく変わると改めて思うのです。

例えば、確かに今回のコロナは、今この瞬間において、非常に厳しい局面であるとは思います。

いつ終わるのか?収束するのに何年かかるのか?も分かりません。

あるいは、これが常態化する可能性だってあります。

でも、「なぜ、こんなことが自分に起こるんだ!なんて不幸なんだ」って思うのか?

「大手を振って、旅行は出来ないけども、空襲を受けているわけでも、自爆テロにあっているわけでもないからまだラッキーだよね」

って思えるのか?

時間軸によって、解釈力にもつながるのだと思うのです。

 

悲観は気分。楽観は意思。

という、フランスの哲学者アランの有名な言葉があります。

この「楽観という意思を持てるかどうか?」は、

より時間軸を長くとって考えることできるか?

ということに関係があるのではないか?と思います。

例えば、

短期的に見たら、辛いことや悲しいこと。大変なことも、長い時間で見たら、全部「良い経験」に変えられるかどうか?

も、その目の前の出来事の意味や価値をその場で回収しようとしないからできますことだと思います。

では、どうしたら、長い時間軸で考えられるようになるのか?

例えば、多くの物語に触れる

これも一つの方法になると思います。

今回の野村萬さんのように、一家でずっと同じ稼業、同じ名前を守り続けるという特殊な環境で育った人は、自然と、「家の歴史」=「家族の物語」について考えることが多かったと思います。

完全なるレアケースですよね。

普通の家で生まれ育ったのであれば、そういった、自分の歴史を意識することなんてないのですから、

他者の物語に触れるのが一番です。

自伝や評伝。小説でも何でもよい。本や映画を通して、多くの人生のサンプルを持っておくことが有益だと思うのです。

そのサンプルが多ければ多いほど、

何か不運が起こったときに、

「あの人はこういった試練を〇〇の方法で乗り越えていたし、自分にもきっと出来るはず」

とか

「これは、確かに試練だけど、チャンスなのだ」

とか

「これが10年後の自分の肥やしになる」

とか、自らを言い聞かせることが出来るようになる。

時間軸を長く取れるようになるだけでなく、

自分の困難を相対化出来るようになるんですよね。

それによって、ストレス耐性も強くなり、どんなことでも超えていけるようになるのだと思うのです。

やっぱり、人のインタビューに触れる。歴史ものを読み、先人に学ぶことは欠かせないのです。

数多くの人の物語に触れるからこそ、「楽観という意思」を手に入れることが出来るようになる。

それを手に入れれば、なおさら、人生が生きやすくなると思うのです。
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【今日のうねり】
人生は時間軸を長くとらえることが出来るのかどうか?
によって、生きやすさが変わるのだ。
それが出来るようになるには、数多くの物語に触れることが大切だ。
そのサンプルが増えれば増えるほど、自分の人生を相対化することできる。
それがあるから、楽観と言う意思を手に入れることができるのだ。