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令和2年葉月8日 今日もクルクル通信709号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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他責思考も伝染しますよね。
他責思考とは何か?というと、
自分に良くないことが起こった時に、その理由を自分の以外のありとあらゆることに求めること
です。
例えば、商売をしていて、今日は物が売れなかった。仮にそれが雨の日だったとしたら、
「いやー、今日はダメだったね。雨だったから仕方ない」
と言ってしまうことだったり、
例えば、自分が思い描いていた通りに仕事が進まなかったとして、
「あいつがミスったから仕方ないよね。俺は悪くない」
って、自分のパフォーマンスを棚に上げて、思う。
他責思考はこういう思考のことです。
当たり前ですが、組織で仕事をしていれば、ミスや事故。うまくいかないことばかりですよね。でも、それが起こるたびに、その思考を発動してしまう人っているんですよね。
代表例は悪口でしょうか。
「〇〇ってさ、あそこがダメだよね」
ってやつです。
で、この悪口、ご存じの通り、足がめちゃ早いんですよね。
あっという間に広まってしまいます。
竹下登元総理大臣の言葉を借りれば、
悪口は遅くとも、その日に相手の耳に届く。早ければ5分後に届く。
ですからね。
しかも、悪口って、本当にその人に届くんですよね。
で、それを聞いた本人は、身に覚えがあるか?ないか?に関わらず、
「はぁ?アイツ、何言ってんの?そんなこと言ってんの?まじでありえん。
てか、あいつこそさ、まじ〇〇じゃん!そう思わない??」
と、悪口が誘発されるんですよね。
悪口って伝染しちゃうのです。
この悪口、やっぱり早ければ5分後に当人に届くんですよね。
ここから、両者の間で悪口の応酬が繰り広げられることは想像に難くないですが、この悪口の恐るべきことは、他者にも伝染するってことですよね。
これを聞いていた、本件には全く関係ない人が、
「そういえば、〇〇さんも同じようなところあるんですよねー」
「だろ!確かに俺もそれを思っていた」
みたいな感じで、また別の悪口が誘発されてしまうことがあるんですよね。
悪口が悪口を呼ぶ。伝染が伝染を呼ぶ。不の連鎖が止まらなくなるんですよね。
こういったことって、会社だろうが学校だろうが部活だろうが人が集まるところであれば、どこでも起こってしまうことです。
この連鎖が発生している組織は、良いパフォーマンスを出せるわけがないんですよね。
例えば、サッカーチームの事例で考えてみます。
自分たちよりも若干力量のあるチームと試合をしていて、防戦一方の試合展開。
でも、失点はなし。ディフェンス陣の奮闘により、なんとか守り切っています。その頑張りによって、徐々に自分たちにも攻撃のチャンスが生まれてきます。
そんな時に巡ってきた、ゴールチャンスをエースが逃します。
それを見た、ディフェンスの一人が、
「なんだよ、決めろよ」
って、ぼそっと一言。
不思議なもので、本人に届くか届かないか?によらず、こういった一言から一気に風向きが変わることってよくあるんですよね。
その後、再び防戦一方になって、失点みたいな。その途端に、チームの雰囲気が一気に悪くなります。
ミスがミスを呼び、それに対する悪口(文句)が悪口を呼ぶ。
こうなったら、試合中の立て直しはほぼ不可能になります。これが運よく前半であれば、ハーフタイムでまき直しが出来ますが…
このハーフタイム中によくであるのが、キャプテンやチームの監督が、
「誰かのせいにして何の意味がある?ミスは起こるものだろ。
チームで戦ってるんだ。それをみんなでカバーしないとこのまま負けるぞ。いいのか?」
みたいなことを言い、選手一人一人が自省して、後半戦は立て直す。
なんてこともありますよね。
誰かのせいではなく、「全部自分の責任」と捉えることは、自責思考になるということですよね。
悪口を言う=他責思考が、怒りの矛先を他者に向けていることだとしたら、
自責思考は、それを真逆にして、自分に向け直すっていうことなのかもしれません。
スポーツで考えると、分かりやすくて、ありそうな話ですが、
会社においては、上長が、部下(チームメンバー)を集めて、サッカーの監督のように説教みたいなことって、あんまなさそうですよね。
となると、組織に所属するビジネスマンとしては、自ら気づき、自らの手で他責思考の連鎖を断ち切るのが一番良さそうです。
自責思考で生きるということです。
逆に言えば、自責思考の人が揃わないと、勝てる組織は生まれないのかもしれません。
しかし、他責思考から自責思考への転換は決して簡単なことではないかもしれません。
ありとあらゆる不利益を自分で受け止めること。言い訳も逃げ道も自ら断ち切るということですからね。
ちなみに一度、自責思考になると、
暇がなくなる
んですよね。
人の悪口を言っている暇がなくなるのです。
なぜなら、全部自分で引き受けているから、やることが膨大になるから。
不必要に他者に関心を払っている時間が無くなるのです。
黙々と、淡々粛々と、自らのすべきことに没頭していくしかなくなるのです。
そういった人が、一人、また一人と増えていくと、自然と、悪口がその組織から消滅していくように思うのです。
悪口が消滅するだけでなく、徐々に仕事でも成果が上がってくるんですよね。
だって、組織のみんなが、自分で責任を持って仕事に臨んでいるのですから、成果が出ないわけがないのです。
残念ながら、それが噂として広まるには時間がかかるようですが。
これまた竹下元総理大臣の言葉を借りれば、
人様を褒めた話は半年経っても届かない。
のですから。
でも、良い噂も必ず届くのです。
悪口はウサギで、褒めた話は亀の歩みかもしれませんね。
予期せぬトラブルに直面した時、他人のせいにしたくなった時こそ、ぐっとこらえる。
他者に向けそうになった、その指先を自分に向けてみる。
たったこれだけですが、これが出来るだけで、個人もチームも強くなるのかもしれません。
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【今日のうねり】
他責思考も伝染する。中でも悪口の伝染力はとてつもない。
でも、それが伝染している組織は勝てない。
一人一人が、自責にならなければ成果は上げられない。
トラブルが起こったときに他者に向けたくなるその指先を、ぐっとこらえて、自分に向け直す。
ただそれだけ。たったそれだけだが、それによって、自責思考になり、個人も組織も強くなるのだ。