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令和2年9月1日 今日もクルクル通信744号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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2つの銀行口座を持っています。
実質はメインバンク(と言うのかわかりませんが)の口座しか使っておらず、
サブ口座はあるだけで、全く使っていません。
例えば、
こっちの銀行が好きか?
利率が良いのか?
利便性が良いのか?
など、そこを選んだ明確な理由もなく、最初に勤めた電通の給与口座がそこだった。
ただそれだけです。
オンライン上のサービス、というか「振り込み」においては、サブバンクの方が優れているように感じています。
でも、そちらに移行していないのは、引き落とし関連のメイン口座になっているからです。
それを変更するのがめんどくさすぎるので、結果的に不便な方がメインになっている
そんな状態です。
いわゆる
スイッチングコスト
ってやつですね笑
そのメインの銀行のモバイルバンキングの使い勝手が非常に悪くて、PCのみを使っていたのですが、
さすがに、モバイルで使えないのも面倒だなと思って、ワンタイムパスワードを活用することにしました。
ところが、このワンパワンタイムパスワードを使うにも申請が必要。
しかも、全てが紙でのやり取りでした。
けっこうビビりました。
やっとワンタイムパスワードが使えるようになり、ついに昨日、これを実施する機会に恵まれました。
モバイルアプリを起動し、
「新規の振込先」をクリックすると、
アプリからブラウザに飛びました。
「むむむむむ」
その辺りからちょっと雲行きが怪しかったんですけど、ブラウザ上で諸々の情報を入力しました。
すると、
「アプリに戻ってワンタイムパスワードを取得してください」
という指示が出ました。
「えっ?またアプリに戻るの?しかも手動で?」
アプリに戻って、
しかも、もう一回「口座番号を手動で入力して」ワンタイムパスワードを取得したんですが、
アプリ画面が遷移しません。
その取得したパスワードを入力先の分からずに、あたふたしていると…
そのままタイムアップになってしまいました。
アプリ⇔ブラウザ
の行き来をユーザーに要求するという、「ご法度の」仕様に。そのユーザビリティーの低さに、ただただ言葉を失いました。
振り返ってみると、
ワンタイムパスワードをアプリで取得した後、再びブラウザに戻って、そのパスワードを入力。
アプリ上ではなく、ブラウザ上で取引を実行する完了させる。
そういう仕様だったのだと思います。
あれ以来、実行していないので、間違っているかもしれませんが、多分そういうことだと思われます。
このアプリ全盛の時代に、
アプリ⇔ブラウザの縦横無尽な行き来をユーザーに要求する。
これ、UXとしてありなんでしょうか?
アプリでもブラウザでも他のページに飛ばせないようにするのが、原則だと思うのですが、それが当たり前のように無視されていました。
あまりの体験の悪さから、
「競合が少ないから、使い勝手が悪くても大丈夫だろう」
くらいに提供側も思っているんじゃないかって邪推する自分がいました。
口座の変更って面倒すぎますからね。
まさに、「スイッチングコストが高いとユーザーは動きが取れない」を痛感しました。
サービス提供者側から見れば、
いかにスイッチングコストが高い商売を設計するのか?が大事。
と言うこともできます。
正直、他でも買えるものであれば、100%買っていましたし、出来ることなら変えたいですもん笑
ちなみに超余談ですが、HSBCの口座を一つ持っています。
このアプリのUIUXはめちゃ優れていますね。
10年くらい前は、オンライン取引においては、セキュリティーデバイスが必須でしたが、今では、それも不要になりました。
二段階パスワードで大抵に取引が出来るようになっています。
全部オンラインで完結しますから、未だに紙を必須としている日本の遅れをだいぶ感じざるを得ませんね。
この体験だけ言うのは憚られる部分もありますが、
購買においては、商品の強さもありますが、それと同等。時にそれ以上にユーザー体験の設計がめちゃ重要だと思います。
人が介在しないEコマースはリアルよりも重要だとすら思います。
しばしば、リアル店舗で接客が優れていると、
「ホスピタリティ溢れるね!」
なんて言われることがありますが、
これが求められるのは、何も店舗だけではありません。
Eコマースこそ、むしろ「心地良いユーザー体験=ホスピタリティ」が重要だと思うのです。
お店に来るのも帰るのも、簡単ですからね。気に食わなかったらすぐに出ていってしまいますから。
ここでしか買えないものを提供できないとしたら、
「ここで買うのが楽しい。快適」って思って頂ける、「ホスピタリティ溢れる」ユーザー体験の設計が欠かせません。
「ここでしか買えないもの」を提供できて、「ここで買うのが楽しい」という体験も提供出来たとしたら「鬼に金棒」です。
スイッチングコスト。商品力。そしてユーザー体験の設計。
他にもありますが、「勝つべくして勝つ」ためには提供することが沢山あるんですよね。
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【今日のうねり】
勝つべくして勝つ商売には、いくつかの欠かせない要素がある。
例えば、スイッチングコストであり、商品力であり、快適なユーザー体験(UIUX)の設計だ。
特に、Eコマースは、これらの体験がリアルよりももっと重要になる。
これらは、自分が売られるから痛感することでもあるのだ。