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令和2年10月25日 今日もクルクル通信797号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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昨日は朝10時から夜6時までセミナー。
終了時間が6時予定でしたが、大幅に延長。終わったら8時30分を回っていました。
以前はこのセミナー、毎回9時までだったので、この大幅延長にも、集中力を切ることなく、楽しむことができました。
ただ、これが初めてだったとしたら、ヘトヘトどころか、間違いなく最後まで集中力は持たなかったことでしょう。
どんなことでも、人間は経験し、「免疫力」をつけていくことが大事ですね。
さて、昨日のメインテーマはコミュニケーションでした。
その話の超小さなトピックの一つに
「御礼メールの書き方」
がありました。
これは、構文としては完成されていて、それがサラッと紹介されていました。
その構文は、次のような3段階構成です。
会食翌日の御礼メールを例とすると、
①昨晩は、ありがとうございました。(必要であれば、ご馳走様でした)
②自分にしか書けない一言を加える
③もう一度、ありがとうございました&引き続き宜しくお願いします。
と言った感じです。
②の自分にしか書けない一言ですが、何も大層なことを書け!という話でありません。
ご一緒した時間の中で、
この一言が身に染みたな、
とか、
この話は印象的だったな。面白かったな。
とか、
これは、早速使わせて頂きたいと思ったな
などなど、自分がその場で感じ取った一言を加えるということです。
これって、一人一人反応する部分が違うので、結果的に、自分にしか書けない一言になるというわけです。
この一言に、その人の個性も出るので、相手にも自分らしさが伝わるのです。
「えっ、こんなこと、普通じゃない?当たり前じゃない?」
って思われた方は、ここから先はお読みいただかなくてもけっこうです笑
確かに、当たり前のことかもしれません。
ただ、大事なことは、
言語化して、構文として、これを持っているのか?
なんだと思います。
これは、今日は出来たけど、明日は出来なかった。では困るんですよね。
「御礼」なのですから。百発百中。再現性がなければ意味がないのです。
「知っている、分かる」と「できる」はまるで別物。
たかが、御礼メールかもしれませんが、されど御礼メール。
個人的には、超重要だと考えております。
当の私は?と申し上げますと、幸いなことに、これと全く同じ構文を完全に身に着けておりました。
別に、「自分が凄いだろ!」という話ではなく、
「身につけざるを得なかった環境」で育ったというだけです。
それは、電通の新入社員研修です。
今はどうだか知りませんが、というか、今は違うとは思いますが笑
当時、電通の新入社員研修は、
昼ではなく、夜が本番でした。笑
基本毎晩会合です。
(注:電通では「会食」のことを「会合」と呼んでいます)
新入社員のメンバーは固定ですが、毎回ゲストが変わります。
(研修は、「班」単位で行動することになっており、1班10名で構成されます。)
ゲストは社員のこともあれば、社外の方のこともあり、多いと10名以上になることもありました。
仮に研修期間が40日だとしたら、少なく見積もっても150人の方とご縁を頂戴したと思います。
ありえないですね、素晴らしすぎます笑
多くの場合、この夜の研修の終了時刻はミッドナイトを過ぎます。
翌朝の始業は9時30分。
絶対に遅刻は許されません。研修期間中の遅刻は特にやばいらしいです。
でも、我々新入社員は、「9時30分に会社に到着すればよい」ってわけではないんですよね。
なぜなら、
始業前に、前の日にご一緒した先輩方への御礼周りをする
からです。
ゲストの人数次第ですが、遅くても8時30分には出社し、一人一人のデスクにお伺いしておりました。
とはいえ、こんな時間帯に出社している先輩も少ないので、実際にお会いできることはほとんどありません。
その時に発動するのが、
お礼メモをデスクに残す
という行為です。
人によって、メモのサイズは違いますが、ポストイットが定番でした。
75ミリ×75ミリ。決して大きくはないので、紙面は限られています。
しかも、同時に10人の新入社員がそのデスクにメモを残します。
そこで考えるんですよね。
短い文面の中にいかに自分らしさを残すか?
ってことを。
ただでさえ、先輩は10人の新入社員の名前と顔を一致させることなんてできません。
そんな中、少しでも爪痕を残したい。覚えてもらいたい!と思ったら、印象に残る一文を残すしかないのです。
ぶっちゃけ、これって、超めんどくさいんですよ。眠いし。
ゲストが10人いたら10人分デスクを訪ねなきゃいけない。
全員が同じフロアとは限らないので、平気で1時間ぐらい時間がたっちゃうんですよ。
もちろん手書きですし、誤字脱字があったら「二重線」ってわけにもいかないので、全文書き直しです。
そんなことまでする必要があるのかよ?
って思う人がいるかもしれませんし、意味があったのか?は分かりませんが、
「御礼」という最も基本的なコミュニケーションの「型」を身につけられたこと。
その基礎体力が養われたことはめちゃくちゃ大きかった。
と思います。
実際、その型は、以後のビジネスパーソンとしての基本動作になりましたからね。
そのままメールにも転用していきました。
何もこれが役に立つのは会合の御礼だけではありません。
「お願い」の時も、この時に見つけた「型」を使い倒していました。
リアルに会いに行く。いなければまずはメモを残す。またデスクに会いに行く。
それでも会えなければ電話をする。
会う。手書きメモ。電話。メール。
どんな時に、どのようにこれらのツールをどう組み合わせるのが良いのか?
そんなことを、最初に身に着けた「挨拶の型」を応用し、使っていきました。
結果として、「お願いの型」も体得できたように思います。
言い換えるならば、
「お願いをお願いにできる力」を身につけたとも言えます。
一つ、成果の出るフォーマットが身に着くと、それを変形させることで、別の成果のフォーマットも身に着けることができるんですよね。
たかが御礼。たかが、お願い。たかが、挨拶。
って思う方もいるかもしれませんが、
「されど」なのです。
良い仕事も、この基本ができこそだと思うのです。
実際、こういったことを大切だと仰っている方も、いらっしゃいます。
例えば、資生堂の社長の魚谷雅彦さん。
彼は、「朝、挨拶が出来ない奴は、上には立たせない」って言っていました。確かプロ論だったと思います。
御礼や挨拶。そして謝罪。
これらコミュニケーションの基本が気持ちよく出来れば、大抵のことは上手くいく。
そう信じています。
基本が大事なのです。
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【今日のうねり】
成果の出るフォーマットを一つ身に着けることができれば、かなり楽になるだろう。
なぜなら、それを変形させることで、また別の成果の出るフォーマットを身に着けることができるからだ。
そのフォーマットの中でも最も波及効果の高いものが、挨拶、御礼、そして謝罪ではないか。
まずは、ここから。コミュニケーションの高い基礎力を見つけるのが肝要なのだ。