「流行りのサブスク」名前に踊らされるな。

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令和3年1月19日  今日もクルクル通信882号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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昨日のカミソリのサブスクの話を今日も続けます。

たった1週間でカミソリのサブスクを解約したんですが、解約の方法が謎でした。

申し込みはオンラインで完結するにもかかわらず、解約に関しては電話のみだったんです。

契約時のメールを見て、電話オンリーを知った時は、ちょっとビビりました。

きっと、何で辞めたんですか?

とか、

どこが気に入らなかったんですか?

とか、

あれこれヒアリングされるのではないか?

とか、聞かれるんだろうなって思いながら、電話をしました。

音声ガイダンスにしたがって番号を押すと、すぐに担当の方が出てくれました。

「カミソリの解約したく、お電話しました。名前は中田雅之です」

と伝えると、

「〇〇にお住まいの中田さんでよろしいでしょうか?」

「はい、そうです」

「はい、承知致しました。こちらで解約をさせていただきます。ご利用ありがとうございました」

ガチャ

「えっ!?マジでこれだけ??」ってと、拍子抜けしました。

同時に、

この解約手続き、電話でやる必要ある?ウェブで良くない?そっちの方がアンケートもできるよね?

これは人である必要があるのだろうか?

オンラインで販売してるんだったら、最初から最後までオンラインでよくない?

って思ってしまいました。私、間違っていますでしょうか。

もしかして、ウェブを使わないシニアなユーザーが多いのでしょうか。そんなことすら思いましたが、

オフラインである必要を全く理解できませんでした。

それはさておき。

 

そもそもサブスクリプションとは、どんなビジネスなのでしょうか?

日本大百科全書には、
===
一定料金を払えば、一定期間内なら商品やサービスを何度も自由に利用できるビジネスモデル
===

とあります。

この「サブスク」は、リカーリング(継続収益)モデルという観点では、「安全カミソリのレーザーブレードモデルも同じ」。そんな話が、<「つながり」の創り方>にはありました。

安全カミソリのビジネスモデルは、ご存じの通り、ボディは継続利用(ユーザーは買い切り)で、替え刃だけを定期的に交換させることによって、収益を上げる。というものですよね。

替え刃は決して安くないですし、一度、ボディを買ってしまったら、ボディそのものを買い替えるインセンティブがユーザーには働きません。

結果的に、

ユーザーはそのボディ(ブランド)ロックされ、それを使い続けることになる=継続課金モデルになる。

ということです。

電動カミソリや電動歯ブラシも基本的には、これと同じ構造のビジネスですよね。前者は、洗浄液で、後者は、替え歯で収益を上げています。

プリンターもこのモデルですよね。(ボディを安く販売して、インクで儲ける)

 

ボディでユーザーをロック。替え刃で儲ける。

というだけであれば、今回、私が解約した、カミソリのサブスクは、古くからある、レーザーブレードモデルと何ら変わりません。

変わる点があるとしたら、刃が自動的に送られてくる。という点だけです。

ただ、これも、アマゾン定期便で替え刃を注文すれば、ジレットやシックでも全く同じことができてしまいます。実際、私はそれをしていましたし。

だとすれば、違いが残るとしたら、値段が安いってことだけです。

果たしてこれは、本当にサブスクなのでしょうか。

上記の日本大百科全書の説明にある通り、サブスクは、
===
一定料金を払えば、一定期間内なら商品やサービスを何度も自由に利用できるもの
===

なんですよね。

カミソリのサブスクは、替え刃を何度も自由に利用することはできませんでした。

「週1で替えることができること=何度も自由なんだ」と主張されたら、それまでですが…

このカミソリのサブスクは、この定義によるところのサブスクではない。

と言えそうです。

 

サブスクといえば、アマゾンネットフリックス、スポティファイ。アドビですよね。

アマゾン以外は使っていないので、聞いた話ベースになってしまいますが、

どのサービスも、一定料金で、商品もサービスも何度も自由に利用できます。

しかも、頼んでもいないのに、同額でバンバン新しいサービスが投入されてきますよね。

だから、ユーザーは解約する理由がなくなるんですよね。

私は、アマゾンのヘビーユーザーですが、プライム会員を解約するなんて考えたこともありません。

2019年4月に、アマゾンプライム会員費が1,000円アップしましたが、これすらもスルーでした。スルー。

それくらい、利用しているサービスに満足をしているということです。

優れたサブスクは、一定料金で、そもそも優れたサービスを提供する。そのうえで、サービスアップデートを頻繁に勝手に行う。結果的に、ユーザーに更新の意思決定をさせない。

ものなのでしょう。

別の言い方をすると、「おっ、値段以上」のサービスってことですよね。こちらはニトリさんですが。

最近、オフィスも「オフィス365」というサブスクモデルを出しています。

ただ、私は、先月パソコンを買い換えた際に、こちらではなく、買い切りモデルの「オフィス2019」を購入しました。

別に、「最新サービスを受ける必要がない」って思ってしまったので。

と言いますか、オフィスを買うかどうか?すら一瞬悩みました。それくらい使用頻度が低いんですよね、資料もほぼ作らないですし。Google docsで十分かなって。

余談ですが。

 

日本大百科全書には、次のようにも書かれています。
===
サブスクリプションには、消費行動やライフスタイルの変化にあわせ、料金の上げ下げ、新サービスの提供、既存サービスの休止などを機動的に決められる利点がある。一方で、絶えず消費者を飽きさせないくふうが求められ、低コストで商品やサービスを提供し続ける必要がある。つまりサブスクリプションは消費者データを基に、消費者との結びつき(エンゲージメント)を強め、ひとりひとりの消費者から得るトータル売上高(ライフタイムバリューlife time value:LTV)を最大化していくビジネスモデルである。「所有」から「利用」へ消費者の価値観が変化するのにあわせ、多くの企業が従来の「売り切り型」から「サブスク型」へと転換し始めている。
===

確かに、「所有」から「利用」にユーザーの価値感が変わってきているとは思いますし、今回のカミソリのようなサブスクも増えてきているように思います。

ただ、「流行っているから」という理由でこちらのモデルに転換するのは避けたいところです。

それでは、「逆・タイムマシン経営論」で言われるところの「同時代性の罠」に見事に引っかかってしまいます。

流行に合わせる前に、

自らの強みは何か?

自らの文脈を活かせるのか?

きちんと把握したうえで、ビジネスモデルを作ることが大事なのです。
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【今日のうねり】
サブスクが流行っているが、名前に踊らされてはならない。
サブスクの本質は、「おっ値段以上」なサービスを定額で提供し続け、頼んでもいないのに自動でアップデートをし、よりよいユーザー体験を提供する。その結果、ユーザーに更新の意思決定をさせないことだ。
それができているのは、そんなに多くないだろう。
「流行っているから」それに乗っかるのではなく、自らの強み・文脈を理解したうえでビジネスモデルを作ることが大事なのだ。