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令和3年1月21日 今日もクルクル通信884号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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悪夢を見ました。
内容は全く覚えてないんですが、とにかく、良い夢ではなかったことだけは覚えています。
だって、深夜に目覚めたとき、寝汗が半端なかったですから。
目覚めた時間は、深夜2時30分。草木も眠る丑三つ時です。
そりゃ、良い夢なわけがありません。
目覚める前から「暑い、暑い」って感じていたことはうっすら覚えているんですが、
どうしても羽毛布団を剥ぐことができない。
なんで、こんなにもクソ暑いのに羽毛布団を剝ぐことができないのか?
と言うか、むしろ、
「こんなに暖かい布団で寝ることができるなんて有難いことなんだ。
剥ぐなんてありえない!」
そんなことを自分に言い聞かせたようにも思います。
で、目覚めて、布団を剥いで、なぜ、布団を剥ぐことができなかったのか?
すぐに合点がいたんです。
あー、今日、読んでいた沢木耕太郎さんの<凍>せいだ
って。
昨日、これが面白すぎて、没頭してしまっていたんですよね。
この作品は、最強のクライマーと呼び名の高い山野井泰史さんと奥様の妙子さんが、難峰ギャチュンカン(7952m)に、アルパインスタイルで挑む様子を描いたノンフィクションです。
本格的な山岳小説を読んだのは初めてだったかもしれません。
映画では、<アイガー北壁>や<クリフハンガー>あたりが見ていましたが。
後者は、雪山ではなかったですね。
ちなみに、前者は、すごい作品です。オススメです。
一瞬逸れてしまいましたが…
この<凍>のあまりのリアリティーと緊張感に、まるで自分が山を登っているような感覚を覚え、
「暖かい布団で寝れることは有難いことなんだ」って夢の中で自分に言い聞かせてたんだと思います。
作品の中では、
氷河を削って、わずか数センチのところを寝床にして寝る。
とか、
絶壁にロープでブランコを作って、そこに腰を掛けて寝る。
とか。
しかも、いずれも高度7000m。マイナス30度、40度の世界で。
下山して、雪の上に銀マットを引いて寝る。手を伸ばして横になれるだけで満足だった。
とか、出てくるんですよ。
そんな極限世界の作品にのめり込んでしまっていたので、夢に出てきたんですよね。
これを読んだ直後だったから、ベッドで暖かい布団にくるまって寝ているにもかかわらず、「暑い、暑い、なんて言ってるとバチが当たる」って思ったのではないか?って思ったのです。
なぜ、この作品の世界が夢にまで出てくるほど記憶に刻み込まれていたのでしょうか?
記憶に残る(す)方法は、
何度も繰り返すか?
感情が動くか?
の大きく二つがあるそうです。
今回は、完全に後者だったのでしょう。
マジで数時間、スマホすら触ることなく、ゾクゾクしながら読み続けていましたからね。
集中する時は、一切の情報をシャットアウトするに限りますね。
<スマホ脳>を読んでから、今まで以上に、スマホを手放すことを実践しています。
さらに、人間の脳は、寝ているときに、記憶の定着を図っているそうですね。
寝ている間に1日を振り返り、その中で残しておかなければならないことを選別しているらしいです。
なので、覚えたいことがあったとしたら、寝る直前にやるのが良い。
寝る直前に触れたことの方が、朝に触れたことよりも新鮮なので、定着しやすいのだそうです。
今回は、記憶に残る二つの条件が、見事に重なったようにも思います。
あたかも自分がヒマラヤを登っているかのような感覚に襲われるほど感情が揺すぶられ、
かつ、寝る直前にそれを読んでいた。
感情×寝る直前の掛け算で、悪夢を見るほどの記憶の定着した。
というのが今のところの私の仮説です。
これが合ってるかどうかは分かりません。そんなことはどうでも良いです。
ただ、読者の夢にまで出てくるような、文章力。言葉の力。
これぞ、プロフェッショナルの仕事。
<深夜特急>も読んでおらず、何気に、初!沢木耕太郎さんでしたが、ノンフィクションの面白さを改めて実感しました。
最近は、先日読んだ、神山さんの<ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌>以降、ノンフィクションづいています。
970億の損失を隠し続けた、元大和銀行の井口俊英さんの<告白>。
会社の金を100億以上もギャンブルに突っ込んでしまった、大王製紙前会長 井川意高さんの<溶ける>。
など。
「事実は小説よりも奇なり」なノンフィクションを、しばらく読み込んでいきたいと思います。
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【今日のうねり】
記憶は、繰り返すか?感情が動くか?のいずれかによって定着する。
寝ている間に、脳が記憶を整理するので、覚えたいことがあったら、寝る前に触れるのが良いだろう。
条件が揃うと、夢にまで出てくるほどの記憶の定着が行われることもある。
脳の仕組みを知って、記憶の定着を上手に図るのだ。