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令和3年1月22日 今日もクルクル通信885号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「デル・ピエロゾーン」
と呼ばれるエリアがサッカーにはあります。
それは、「ゴールの左斜め45度エリア」のことです。
サッカーファンにはお馴染みですよね。
右利きのデルピエロが左サイドから内側に切り込んできて、このエリアから、右足を振り抜く。
数多くのゴールがここから生まれています。
シュートのバリエーションはいくつもありますが、代名詞は、カーブをかけたファーポスト(左隅)へのゴールでしょう。
このエリアから同じようなゴールを挙げた選手は、彼の以前にも以後にもたくさんいるとは思います。
でも、「デル・ピエロゾーン」以外の呼び名はありません。
これは、如何に彼の精度が高かったのか?
あるいは、「そこからのゴールが圧倒的に多い」というイメージを与えてきたのか?
ということを物語っているのだと思います。
当時、サッカーをやっていた私も、そのエリアで、デル・ピエロはボールを持つと、
「これ、入るんじゃね?」なんて期待に胸を膨らませて、試合を見ていました。
左利きで言えば、リオネル・メッシが同じように右サイドから内側に入ってきて、「右斜め45度」から数多くの得点を生み出しているとは思いますが、「メッシゾーン」とは呼ばれていません。
デル・ピエロがそこから繰り出した、数多くのゴールが本当にセンセーショナルだったということでしょう。
昨日、なでしこ4冠の石原さんと打ち合わせをしていたのですが、帝京高校の練習について、話をして下さいました。
彼は、帝京高校に赴任する以前に、同じくサッカーの強豪校である、前橋育英高校で先生をされていらっしゃいました。
帝京も前橋育英も、どちらも高校サッカーの名門校です。
名門高校同士ですから、公式戦だけでなく、練習試合もすることもあったらしいですが、前橋育英が負けてしまうことが多かったそうです。
仮に、2-0で勝っていたとしても、最後に三点取られて2-3で負けてしまう。
前橋育英の選手の方が上手いのに何故だか負けてしまう。
その理由は何か?
ずっと分からなかったそうですが、帝京に行って、分かったそうです。
当時の帝京高校(今はどうかは分かりませんが)の練習は、
シュート練習あるのみだったそうです。
「嘘ですよね?」って思わず聞いてしまいましたよ。
当時の石原さんも、目を疑ったそうですが、本当らしいです。
あんなに強い、帝京高校。どんな高度な練習をしてるのか?と思いきや、極めて原始的な練習をただひたらすらに繰り返している。
そりゃ、びっくりするよね。って話です。
でも、この練習を見ていて、「これほど理にかなった練習はない」とも思うようになったと仰っていました。
なぜなら、試合では、「ここぞ!」って時に無意識に体が動くかどうかで勝負が決まるから。
ゴール付近で、チャンスボールが来た時に、ゴールに向かって足を振り抜けるかどうか?
これが高校サッカーでは勝負を決するから。
だから、帝京では、徹底的にシュート練習を繰り返しているそうなんですよね。
大事な局面であればあるほど、チャンスボールを決められるかどうか?
これが、勝敗を決めるのだから、この練習をひたすらする。
無意識レベルで、シュートをゴールに蹴りこめるようになるまで、徹底的に練習する。
だから勝てる。そう思ったそうです。
ちなみに、帝京では、チャンスボールを「チャンボ」というそうです。名将小沼監督の口癖だったとか。
最近、ヨーロッパのクラブチームでは、「ストライカーコーチ」が増えているそうです。
文字通り、「ストライカー専門のコーチ」らしいです。
そもそも、ヨーロッパでは、ストライカーは徹底してシュート練習をするそうです。
ここに来たら絶対決められるという形を求めて。
当たり前に聞こえますが、日本では彼らに比べると全然徹底されていないそうです。
この「ストライカーはひたすらシュート練習ばかりやっている」という話を聞いて、私の頭によぎったのが、冒頭の「デル・ピエロゾーン」でした。
デル・ピエロは、来る日も来る日もひたすら、このエリアからの練習を繰り返していたのではないか。
だから、試合の中でも無意識に体が動いて、ゴールを決めることができたのではないか。
ややもしたら、ゴールを見なくても、足を振り抜くことで、決めることができたのではないか。
って。
実際、こんなゾーンを持っている選手って、そんなにいません。
逆に言えば、持てればめちゃ強いってことです。
徹底的な練習。日々の積み重ねが重要であることは、スポーツであれ、仕事であれ、何であれ一緒でしょう。
同じように、
「これだったら決められる!」という型があるかどうか?もアスリートであろうとビジネスマンであろうと変わずに大事なことです。
マンガでいえば、「偉大なるマンネリ」ですよね。例えば、ドラえもんや、こち亀。北斗の拳。
ドラマでいえば、水戸黄門。
「やっぱり、これだよね」という黄金の型(フォーマット)がそこにはあるんですよね。
どんな世界であれ、これを持つことができるかどうか?がめちゃ大事。
まずは、この型を一つ持つことから始まるのではないか。
って改めて思うのです。
たった一つの型を身に着ける。それさえあれば、必ず輝く場所を見つけることができる。
日々の積み重ねが型を作り、それが強烈なグーとなり、未来を切り開くのです。
創れ!「デル・ピエロゾーン」なのです。
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【今日のうねり】
サッカーだろうが、ビジネスだろうが、どんな世界でも、自らの型を身に着けることが大事だ。
それさえあれば、必ず輝くことができる。
型の重要性は、どこでも言われていることかもしれない。それは、重要なんだけど、誰もがやっていないことだからだ。
型を作るために、徹底した練習を繰り返す。日々の積み重ねが型を作り、それが強烈なグーとなり、未来を作るのだ。