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令和3年2月18日 今日もクルクル通信902号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「よく心が折れませんでしたね」と言われます。僕に特別な才能や根性があるからか。いやいや違う。たった2つのものを見つけたら、誰でも努力し続けられます。
メンターとアンカーです。
(2021年2月17日日経夕刊より抜粋)
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そう話されていたのは、ユーグレナ社長の出雲充さんです。
出雲さんは、ユーグレナの培養に成功するも、3年間誰からも相手にされなかったそうです。
出資を受けるために500社と面接をし、500社すべて落選。
501社目の伊藤忠商事からやっと出資を取り付けることができ、そこから爆発的な成長を遂げたそうです。
500回も断られて、なぜ心折れなかったのか?
これに対する出雲社長の答えが、冒頭の「メンターとアンカー」です。
出雲社長が学生の時に訪れたバングラディッシュで目の当たりにした、栄養失調の子供たち。
彼らが健康に生活できるような栄養源を見つけたい!
この強い思いが、ユーグレナ創業の原動力になっているそうです。
そんな彼のメンター(=師匠)とは、グラミン銀行創設者であり、ノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌスさん。
そして、アンカー(=師匠を思い出させてくれるもの)は、彼から貰ったTシャツだそうです。
毎朝クローゼットにあるTシャツを見て出社し、帰宅してからもう一度見る。すると、内側からやる気がこみ上げてくるそうです。
一瞬、話は逸れますが、アンカーを朝晩見るという習慣というシステムが素晴らしいですよね。
メンターとアンカー。私はこれを、
良い師匠を見つけ、リアルに感じることができる環境を作りなさい。
そうすれば、誰でも努力し続けられますよ。
って、解釈をさせて頂きました。
出雲さんの場合は、ユヌスさんがバングラディッシュにいらっしゃるので、頻繁に会うことなんてできません。
なので、常に彼を感じるためにアンカーが必要だったのだと思います。
でも、理想を言えば、師匠とはずっと近くにいたいものです。
その上で、
なぜ、その行動をしているのか?
どんな考えを持っているのか?
その考えはどこから生まれてくるのか?
といった、疑問(仮説)を持って日々接することで、自分なりの理解が生まれる。
それができれば、加速度的に師匠に近づくことができると思うのです。
楠木健先生が仰っている「カバン持ちの原理」はこれですよね。
多くの場合、「この人すげぇ!ついていきたい!」って思うきっかけはその人の行動を見る、実際に触れることだと思います。
でも、見たり、触れているだけ=外側に触れるだけでは、自分のモノにすることはできません。
その行動の内側にある行動原理(=考え)を理解しなければ、師匠のそれを自分に最適な形でインストールすることはできないのです。
なぜなら、その行動は、師匠の考えを彼にとって最適な形で体現したものであり、その行動が自分にとっても同じように最適とは限らないからです。
師匠と自分は全く別の人間ですから、合うものもあれば合わないものもあるのです。
輸血や臓器移植の「合うor合わない」と近いものかもしれません。
なので、一番大切なことは外側の行動ではなく、
内側の行動原理を移植することなのです。
原理を移植し、それを自分に適した形で外側の行動に反映させていくのです。
逆に言えば、原理移植ができなかったら、一緒にいようが、追いかけようが、師匠に近づくことは難しいとすら思うのです。
では、実際に会ったこともない人を師匠とすることはできないのでしょうか?
そんなこともないのではないか?というのが私の考えです。
今、それを実験しています。
会ったこともない、書籍しか読んだことないけど、「この人すっげぇ」って思った、沢木耕太郎さん。今、彼の行動原理を理解すべく、作品を読み倒しています。
なぜ自分がこんなにすげえと思ったのか?
この人はなぜこんな作品を書いているのか?
自分なりに仮説を持ったうえで、初期作品を一から順々に読み進めています。
この読み方は、私の師匠の1人である、鮒谷さんに教えてもらった読書方法です。
そもそも鮒谷さんは、
「ある著者のことを理解しようと思ったら、その作品を一から読むと良い」
というアドバイスを、ドラッカーの全作品を翻訳されている、上田 惇生先生にもらったそうです。
「ドラッカーのエターナルコレクションを一から全部読むように」と言われたときは、マジでビビったそうですが、全てを読み切った時には、その意味が理解できたそうです。
他にも遠藤周作さんや、現静岡県知事の川勝平太さんも、この「縦読み」?を勧めていたそうです。
今、初めての「縦読み」にチャレンジしていますが、朧気ながらその意味が分かってきているように感じています。(まだ前期が終わったくらいだとは思いますが)
「個人大学を作れ。師匠をたくさん持て。」といったのは敬愛するトム・ピーターズですが、どれだけ数多くの「この人、すげぇ」と思える、師匠に巡り合えるかが人生の豊かさに繋がります。
そして、その師匠に近づきたいと願うのであれば、その行動原理を自分なりに研究し、自分の中に取り込む。行動してみる。
そのモノマネが自分を高みに導いてくれる。そう思うのです。
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【今日のうねり】
師匠と思える人に出会ったしたら、大事なことはその外側だけではなく、内側の行動原理を理解する。これが一番大事だ。なぜなら、その行動は師匠に最適化されたものであって、自分にも最適なものになるか?は分からないのだ。
師匠とは近い距離にいられることが、理想だが、そうでなくても学ぶことはできる。行動原理しようという意識さえあれば、追うことはできる。ユーグレナの出雲社長に倣えば、アンカーも必要だが。
個人大学を持つ。沢山の師匠と巡り合い、そのモノマネ(行動原理の理解)を続けていれば人生の高みに登れるのだ。