「狂」の始まりは、「ひっかかり」

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令和3年2月21日  今日もクルクル通信905号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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オーストラリアでは羊がどんどん潰されている。来年は減産になるだろう。

たったこれだけのニュースで、必死の思いで手にした3億を毛糸市場に全投入し、大勝ち。結果的に30億儲けた男がいる。(しかも、元手は高利貸しから借りた10万円)

これが最近触れた、一番「狂った話」です。

これは板垣喜内人という相場師の話です。

もちろん知ったのはきっかけは、「縦読み中」の沢木耕太郎さんの「鼠たちの祭り」というルポです。

「マジで、狂ってる」。そう思う一方で、

もしかしたら、彼にしか見えない「ルート」が見えていたのかもしれない。

たとえ、それが私のような一般人から見たら、

「いやいや、それは絶対にないっしょ!?そんなこと天下分け目の意思決定、それだけでやってしまうの?」

っていうことだったとしても。

とも思っていました。

あたかも、全盛期のルイコスタキラーパスのように。彼にしか見えない一本の光る筋が見えていたのではないか?

って笑

板垣さんがその取引で勝ったという結果まで知っていたから、思っただけだろ?

って言う人がいるかもしれません。

確かにそれは否定できません。

でも、世の中には、

傍から見たら、「なんでそれが?」って思ってしまうことでも、当の本人には、「いや、そうでしょ!?それしかなくない??」って思うことがある。

そして、それがけっこう大きなことを動かしていることがある。

ようにも思うのです。

私の経験でいえば、家庭教師のトライの「ハイジのCM」。あの企画コンテを初めて見た時がそれでした。

当時、私は、一番下っ端の担当営業でした。

競合プレゼン当日の朝、この企画コンテを見たときの衝撃は今でもはっきり覚えています。

なぜ?こんな企画が出てくるの?

って。

まあこのクリエイティブチームは全員が「クリエーター・オブ・ザ・イヤー」というとんでもないメンツだったんので、「出てくるんだよ!」って話だったかもしれませんが。

当然、下っ端の私は、

「どうして、こんな企画が浮かぶんですか?」

なんて、大先輩方に質問できませんでした。

聞いたら、どんな回答が返ってきたのでしょうか。「なんとなく」とか、そんな感じなんでしょうか。

いずれにしても、一般人の私にはおよそ理解できないような話なんだと思います。

当然、この企画で競合プレゼンは勝利でした。

 

おそらくですが、こんな大きな話でなくとも、近しい経験って誰にでもあると思うんです。

過去振り返ったときに、

「なんで、そう思ったのか?って説明して」って言われても説明できない。でも、そうとしか思えなくて、実際に行動したら上手くいったことって。

それを直感本能?あるいは妄想?と呼ぶのかは分かりません。

沢木耕太郎さんは、「ひっかかり」であり、「取材以前」と表現していました。
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その「以前」こそがあらゆる職業がもつ伝達不能の、しかも核心的な「秘」の世界だからだ。
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<取材以前>というエッセイの中でそう書いていました。

ちなみにこのエッセイの中で、相場師板垣さんを再度取り上げていました。(以下抜粋)
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来年は減産になるだろう。これだけのニュースだった。それだけで必死の思いで手にした3億を投入してしまったのだ。気違いの沙汰、ともいいうるだろう。

常人にとって、相場師が気違いに見えるとしたら、それは売りか買いかという最も大事なことを決定する材料があまりにも偏しすぎているように思えるからだ。
一から五まで、条件は五つあるのに、どうしてそのうちのひとつにだけ執着するのか。常人にはその偏向が理解できない。

しかし、相場師の力量は人の知らない材料を探り当てることではなく、誰もが知っている材料からいかに偏った執着を持続できるかということにある。

そして、それは本来、相場師だけではなく、行動を起こそうとする誰にでも妥当する真実なのかもしれないのだ。

重要なことは、ある材料に敏感に反応し執着する自分、つまり<ひっかかり>を覚える自分というものが、決して情報だけでは作り得ないということである。
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「狂」の始まりは、「ひっかかり」を覚える自分。

その「ひっかかり」は間違いなく十人十色。

どれが良いとか悪いとかは一切ないのでしょう。

自分の中に芽生える「ひっかかり」を大切に、正気で全力で突っ込む。

それが「狂」となり、自分の世界が動き始めるのです。
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【今日のうねり】
およそ常人には、狂気にしか見えないことも、当の本人には、何かがある場合がある。
それは沢木耕太郎さんの言葉で言えば、「引っかかり」だ。これは全ての人間が大切にすべきことだ。
そのひっかかりは十人十色。自分だけのひっかかりを大切にする。
そこに全力投入するから、世界が動き始るのだ。

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