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令和3年2月24日 今日もクルクル通信908号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「停車位置。よーし」
聞いたこともないような大声が聞こえたので、思わず振り返って、車掌さんを見てしまいました。
目が合ったのは、女性の車掌さん。彼女は、恐縮したように会釈をしてきました。
「いやいや、そんな恐縮する必要ないっすよ、いい声でしたよ、その調子でガンガンいってください!」
そう思いながらも声をかけることができず、進行方向一番後ろの車両に乗車しました。
出発のブザーが鳴り、
「ドアが閉まりまーす。ご注意ください」
またまた、駅構内に彼女の声が響きます。
無事にドアが閉まると、
「しゅっぱつ、しんこ~う!!」
あんな大きな「出発進行」を聞いたのは、人生で初めてだったかもしれません。
次の駅でもそのまた次の駅でも、全ての停車駅で、彼女は一切手を抜くことなく、「出発進行」を叫び続けていました。
間違いなく、彼女は新人の車掌さんでしょう。
だって、あんなステキな「出発進行」を聞くことってなかなかないですから。
大抵の場合が、半径1m圏内にしか聞こえない小さな「出発進行」じゃないですか。場合によっては、言っていない人すらいますよね。
おそらく、「停車位置よーし」(指さし確認付き)や「出発進行」を大きな声に出して言うことは、車掌さんのルール(業務)に入っていると思います。
でも、それを実行している人もしていない人もいる。(実行していない人の方が多いのではないでしょうか)
なので、あんなに大きな声で「出発進行」を言う車掌さん=新人という推測。というか断定が私の中で生まれたのです。
案の定、降り際に、車掌室を覗くと、彼女以外に上官と思しき方が乗っていました。
改めて思い出すのは、彼女の恐縮した、あの表情です。
私の視線が彼女に対して、「おい、なんて大きな声出してんだよ!!」みたいなネガティブなメッセージを発していたのではないか?って未だに気にしてしまっているのです。
もし、そんなことがあったとしたら、「どうか誤解しないでください」と全力で伝えたいです。
彼女は十二分に職責を全うしている訳ですから。ひけめに感じることなど一切ないのです。
むしろ、そんな思いをさせてしまっているのは、日常的にそのボリュームで「出発進行」を言っていない諸先輩方であって、そちらに問題があるわけですから。
一方で、諸先輩方がそれをやらないのも分かります。
仕事には「慣れ」がありますから。
最初は新鮮な気持ちで取り組むことができたことも、時が経ち、慣れてしまえば、色が褪せてしまいます。
慣れてしまうと、仕事に取り組むではなく、仕事をこなすになってしまいます。
そうなってしまったら、一生懸命できなくなってしまうんですよね。
「テキトーにやってもできるっしょ」って思ってしまったら、もうアウトなんです。
しかも、この現象って、仕事の難易度に関わらず、発生してしまうものなんですよね。
スポーツの世界でもこの現象はあるようです。
実際、なでしこ4冠などの成果を挙げている石原さんも、
勝ち続けているチームは、そのチームのレベルによらず、ダレる傾向にある。その分注意が必要。
どんなトッププレーヤーであっても、できなかったことができるようになると、それを「こなす」ようになってしまう。
と仰っていました。
このダレる、こなすが起こり始めた時が一番危険なんですよね。
御多分に漏れず、私自身も、慣れからダレが生まれて、ミスる。事故るという経験を何度もしています。
ダレる、こなすが仕事の難易度によらず必ず発生してしまうものだとするならば、それを上手に撃退する方法は身に着けたいところです。
その一つは、その臭いが香ったら、次の負荷を設定し始めるということなんだと思います。
1度ダレてしまると、その状態を抜け出すのに、かなりの時間と負荷が必要となりますから、その前に先手必勝で潰す。という考えです。
「実るほど首を垂れる稲穂かな」という言葉がありますが、首が垂れそうなほど実り始めたら、速攻で収穫してしまう。また次の稲を作り始めるくらいのイメージでしょうか。
そんな感じで、前倒しで、負荷を設定し続けることができたら、「こなす」「だれる」とは無縁の状態であり続けることができる。
それは、常にエネルギーに満ち溢れた状態ですから、あの新人車掌さんのようにキラキラ輝くことができるのでしょう。
あの車掌さんがずっと、大きな声で「しゅぱっつ、しんこ~う」と言い続けてくれることを願いつつ、
負けじとキラキラし続けるべく、負荷を設定し続けていきます。
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【今日のうねり】
慣れ、こなし、ダレは危険だ。ミスや事故の元になるからだ。
その状態はパフォーマンスが低いだけでなく、なかなか抜け出すことができないので、その状態に入らないように未然に防ぐことが望ましい。
そのためにはどうするのが良いのか?それは、その臭いが香ったら、速攻で次の負荷を探す、かけることであろう。
そんな常にチャレンジをしている状態に入ることができれば、エネルギーに満ち続けることができるだろう。