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令和3年3月6日 今日もクルクル通信918号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「サンクコストの罠」にはハマってはならない。
なんて言いますが、分かっていてもハマってしまいそうになる、実際にハマってしまうのが人ってものです。
この「サンクコストの罠」については、ここでも何度も書いてはいますが、記憶の定着を図るために、再掲します。
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サンクコスト(サンクコストバイアス)とは、すでにお金や労力や時間を支払ってしまったという理由だけで損な取引に手を出し続けてしまう心理的傾向のこと。
ビジネスや投資の世界では、意思決定を歪める要因として知られています。
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読みかけの本、見始めた映画、取り掛かっていた仕事。
などなど、投じた時間やお金が大きければ大きいほど、すなわち、投じた資産が大きければ大きいほど、この罠にはまる可能性は高まってしまいます。
せっかくここまで読んで(見て)きたんだから、必ず素晴らしい学びがある結末が待っている。「はず」だ。
せっかくここまでやってきたんだから、必ずこの先に輝く未来がある。「はず」だ。
って、信じたい気持ちが強くなるのです。
だからこそ、踏ん切りがつかなくなるのです。
株で言えば、損切の話と一緒ですね。
1度ハマってしまった泥沼も、軽ければ、そこそこ踏ん張れば抜け出せますが、時間が経てば経つほど、抜け出せなくなってしまう。
底なし沼に体の半分まで、浸かってしまうと、もうチャンスなし。最初は脱出を試みますが、やっぱり飲み込まれて行ってしまう。アドベンチャー映画のシーンでありそうなやつです。
この「サンクコストの罠」にハマりかけている時orどっぷりハマってしまっている時に、何が怖いのか?というと、
自分(だけ)は大丈夫だ。
って、思い込むことだと思います。
多少の不安があったとしても、その不安をかき消すために、自分の「ダイジョウブ」をサポートしてくれること。その情報だけを探すようになります。
あの人が言っているから大丈夫だ。
あの事例があるから大丈夫だ。
あそこにもそう書いてあったから大丈夫だ。
人は信じたいものを信じる。
俗に言う、「確証バイアス」ってやつです。
信じたい情報を探して、自分の「ダイジョウブ」に自信を持とうとしちゃうのです。
でも、実はその事例が、一個ないし二個程度しかないってこともよくある話です。
その情報量では、全然一般性が確保できないにもかかわらず、「ダイジョウブ」が加速するのです。
「みんなが言っている」「世の中的にこうなっている」って。
これは、
今日、あの子は僕に挨拶すらしてくれなかった。きっと僕のことが嫌いなんだ。
と何ら変わりませんよね。
「過度の一般化」ってやつです。
「サンクコストの罠」に「確証バイアス」。ここに「過度の一般化」が来た日にはかなりの危険です。
この仲良し三人組には要注意。ボコられる可能性があります。
ストⅡで言えば、「トリがピヨピヨ」の完全グロッキー状態にされちゃう可能性大です。
もし、不幸にもこんな状態になってしまったとしたら、「気持ち」で何とかするのはほぼ無理だと思った方が良いのではないでしょうか?
だって、「ダイジョウブ」って信じたいモードになっちゃっているんですから。
「恋は盲目」、「あばたもえくぼ」状態です。
では、どうすればそんな状態から抜け出せるのでしょうか?
その一つが、
「撤退のルール」を明確化しておく。理想を言えば、事前に。
ってことなんだと思います。
こうなったら、本を閉じる。映画館を出る。
こうなったら、その事業を撤退する。
「〇〇となったら、撤退する」と定めておくのです。
「マーケットの魔術師」に倣えば、「アンクルポイントを知っておく」ということです。
例えば、本(ビジネス書)で言えば、
目次を見て、読みたかったところから読み始める。2章分読んでダメだったら、もう閉じる
みたいな感じです。
なぜ、理想は事前になのか?
それは、一旦始めてしまうと、客観的にそれを見ることができなくなってしまうから。始めた途端にバイアスがかかってしまうからです。
でも、ルールさえあれば、それに則って、淡々粛々と、意思決定を下せばよいのです。
そのルールすらも守ることができないということであれば、もう仕方がないのですが…
そうでなければ、「サンクコストの罠」という強力な「沼」から脱出できる可能性をグッと高めることができると思うのです。
つまり、
感情にはルールやシステムで打ち勝つ。
主観に対しては客観をぶつける。
これが有用なのだと思のです。
もし仮に、そのルールを定める前に、その舞台に上がってしまっているとしたら、今からでも遅くない。
まずはルールを定めるに限ります。
基準さえ持つことができれば、「ズルズル行く」を食い止められる可能性が高まるからです。
でも、自分一人でそれをやらない方が良い。第三者と一緒が良いでしょう。
なぜなら、一人でやると、
自分の感情に沿ったルール=甘めのルール設定をしてしまうから。
そこで厳しくできる人だったら、どっぷり沼にハマっていないでしょうからね。
「岡目八目」って言葉もあるじゃないですか。
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岡目八目とは、当事者よりも第三者のほうが、冷静で客観的に物事を見れるということ。
「岡目」は、脇から見る、第三者の立場で見ることを意味し、「傍目八目」とも書く。
他人の打っている囲碁を傍から見ている者は、対局者よりも八目も先の手が見えるという意から。
囲碁も将棋も打っている者同士は勝つことに必死だが、傍観者は局面の全体を見渡す余裕があるということから、当事者よりも局外にいて冷静に観察している人のほうが的確に判断できるということ。
(コトバンクより抜粋)
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感情にはルールやシステムで。
主観に客観で抗う。
胸に刻んでおきたいところです。
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【今日のうねり】
分かっていても、ハマってしまうのが「サンクコストの罠」だ。
一旦ハマってしまうと、なかなか抜け出せない。
こいつの仲間が、「確証バイアス」であり、「過度に一般化」だ。
仲良し三人組に取っ捕まると大変。
抜け出すのが容易ではない。
抜け出す、ハマらないためには、事前ルールの徹底化が有用だろう。
仮に、既に舞台に上がっていたとしても、真っ先にルールを定めるのが肝要だ。
ここでのポイントは、決して一人では定めない。ということだ。一人だと、ルール設定を甘めにしてしまうからだ。
感情にはルールやシステムで。主観には客観で抗うのだ。