「無個性という個性」を考える。

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令和3年5月12日  今日もクルクル通信985号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「自分を客観的に見た時に、あまり長所がなかったんですよ」

この一言を読んだ瞬間、

おい、何言ってんだよ?あり得ないっしょ!!

ついつい、ツッコんでしまったのは、私だけではないはずです。

だって、こう話していたのが、

女子個人として史上初のオリンピック4連覇。公式戦172連勝の記録を持つ、レスリングの伊調馨だったんですもん!!

しかも、この後が、

「例えば、150キロのベンチプレスを持ち上げられるわけでもないし、特別にスピードやスタミナがあったわけでもない」

って話だったからびっくり。

いやいや150キロのベンチプレス、上がんねえから普通!!

という、更なるツッコミを入れたのは、この記事を読んだ全員だったことは疑いの余地がありません笑

さらに次のように続きます。
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私には他の選手たちよりもずば抜けて秀でたものが本当になかった。

ただ、短距離走が凄く速い人は長距離走が遅かったりするように、何か一つ飛び抜けた能力を持っている人は、必ず苦手なものを持ち合わせている気がして。

自分には飛び抜けたものがない分、苦手なものも少ないんじゃないか、平均的に全部できれば強みになるかもしれないと考えたんです。

それで、とにかく周りに「そこ弱いよね」って言われる部分を少なくしようと、懸垂にしてもロープ登りにしても、

常に平均より上位を目指して日々の練習、トレーニングに向き合っていきました。
『致知』2021年5月号より抜粋
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ここまで読んでも、「本当にそうなのかよ?」って疑問を払拭することはできなかったですが、彼女が言うんですから、きっとそうなんでしょう。

でも、やっぱりちょっと混乱しましたよ。

だって、世界で活躍する多くの選手は、特出した一つの能力を持っていたじゃないですか。

例えば、野球で言えば、野茂英雄や「大魔神・佐々木」のフォークボール。

田中マー君のスライダー。

など、誰もが自分の必殺技を持っていますよね。

しかも、これは、スポーツに限らず、ビジネスにおいても、同じで、

自分の強みで戦わなければならない。

と言われているじゃないですか。

一方で、彼女は、

レスリングって、競技のルールが結構変わることが多い。

その改定に合わせて瞬発系の能力が必要になってきたり、スタミナ、パワーのある選手が有利になったりする。

だから、その変化にいかに柔軟に対応していけるのか?が求められる

という話もしていました。(素人には全く気付かない話ですが…)

これを合わせて考えれば、

変化の激しいスポーツだからこそ、特定の強みに固執しては勝てない、

ということなのかもしれない。なんて思いました。

 

経営とは変化対応業

と言われます。

ビジネス環境も時々刻々変化しています。それに合わせて、ルール改定もありますから、ここにおいても、

伊調さんに倣い、特定の強みを一つに固執するよりも、高いレベルの総合力で戦うスタイル

の方が良いのかもしれませんね。

でも、個人で、高い総合力を有するのは容易なことではありません。だからこそ、組織をうまく活用する必要があるのでしょう。

個人の強みをより強め、弱みを消すのが組織の役割

ともドラッカーも言っていますしね。

個人でやるには、容易ではない、平均的に全部ができる。しかも高いレベルで。を実現したからこそ、

伊調さんは、前人未到のオリンピック4連覇を達成した

ということで最終的には理解をしました。

(スキがないほど強いってことですよね)

この辺の話より興味を持った方は、今月の「致知」をご覧ください。

伊調馨さんとスピードスケート金メダリストの小平奈緒の対談が、掲載されています。

 

スポーツではありませんが、同じように特徴がないことが特徴。だけど、大活躍している人っていますよね。

例えば、『男はつらいよ』の寅さんの妹さくら役でお馴染みの倍賞千恵子さんです。

彼女は、山田洋次監督に、「無個性という個性のある女優」と称されています。

監督が、その個性を上手に引き出してくれた、と本人も語っています。

ちなみに、この監督の言葉の意味は、
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強烈な自己主張をするのではなく、まるで空気のように違和感なくその場にいつつ、気がつくと周囲の注目を集めているといった、卓抜した演技力と己自身の資質が大いに必要とされる“個性”を放っている
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ということのようです。

 

ちょうど先週、転職活動の相談を受けた後輩が、

「自分、強みらしい強みがないんですよね。どうしたら良いですかね?」

と言ってきました。

「いやいや、何言ってんの?あれもできるよね?あっ、これも、できるよね?」

「はい…」

「そういえば、あれもあったよね?」

「はい!」

「それって立派な強みなんじゃないの?」

「あー、確かに!!言われてみればそうかもしれません」

物事は、認識を変えるだけで、全く違ったものに見えます。

それは、強みも同じですよね。

強みのない人なんていないのです。

ましてや、「無個性という個性」で大活躍している女優も、「平均的に全部ができる」で前人未到のオリンピック4連覇を達成した人もいるのですから。

大切なことは、自分の強みを受け入れ、それを磨き続けようという心構え。そして、行動すること。

これさえできれば、成果を上げることはできるのです。
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【今日のうねり】
強みがない人など、この世にいないのだ。
全ての総合点が高いでも、立派な強みだし、個性がないことが個性に変わることもあるのだ。
見え方を変えるだけで、全ては変わるのだ。
正しく、強みを認識をし、磨き続ける。そして、行動し続ける。これが大事なのだ。
これさえできれば、成果を上げることは必ずできるのだ。