僅か15分で激変?? たった一つでここまで変わる!

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令和3年5月20日  今日もクルクル通信993号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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昨日は友人に誘われ、男3人で書道教室の無料体験に行ってきました。

これほど迷惑な客ってのもそうそうない。そんな奴らでした、僕ら。

自分で言うのもなんですが…笑

恵比寿のワンルームマンションの1室に、その教室はありました。

インターホンをし、部屋に入ると、そこには落ち着いたライトブルーのマットが一面に拡がっていました。

20畳ぐらいのスペースに、2人掛けのテーブルが10脚ほど置かれており、3人の生徒(女性)さんが集中した面持ちで、筆を握っていました。

物音ひとつしない空間には、「波音」だけが響き渡っていました。

やはり集中する時のBGMは波音なんだな、なんて思っていると、席に座るや否や、友人の一人が、

「波の音が聞こえるよ?」

と言い始めました。

「いや、普通にオーディオだろ、聞けば分かるだろ」

「いやいや、海だろ、海。近いのかな?」

「近いのは川で、海は近くねえだろう、ここは恵比寿だぞ」

(ボケているのは分かっていますが、一応真面目に対応する私)

「いやいや、川は波音はしないでしょ。海が近いんじゃないの??」

「じゃあ、先生に聞いたら??」

「俺、恥ずかしがり屋だからさ、お前が聞いてよ」

恐ろしくて、学習中の生徒さんを見ることはできませんでしたが、私が彼女達だったとしたら、ブチ切れていたことは町以外ないでしょう。

せっかくの週に一度の書道の稽古。

静かな空間で、波の音を聞きながら自分の字と向き合う。

綺麗な字を書けるようになりたい、という気持ちと同じぐらい、

平日の昼下がりに、落ち着いた空間での一時を大切にしたい。そんな気持ちがあるはずですよね?

それにもかかわらず、突然登場した、男三人組にぶち壊しにされたんですよ。

キレるな!って言う方が無理ですよ。

彼女達の心を代弁すると、

「てか、なんなの!!この男3人組。マジでうるさいんだけど。ジャケット着てる人、1人しかいないじゃない。あとの二人はロンT。何あのロンT、漢字が書いてあるわよ。もしかして、外国人?ってか、今日は水曜日だよね。

一体、この人達何やってんのかしら。まあどうでもいいわ、そんなこと。

頼むから黙って。早く帰って!!」

こんな感じだったはずなんです、きっと笑

そんな中、ガイダンスを受けた後、実際に文字を書く練習をしました。

お題は、永久の「永」でした。

「最初は何も見ないで、この字を書いてみてください」という先生の指示に従って、3人とも一文字書きました。

次に、「では、このお手本を見た上で、二つ書いてください」という指示とともに、お手本が支給され、それぞれが、二つの「永」を書きました。

「てか、お前のより、俺の方が上手いな。良い字、書いているわー!!」

よくしゃべる男が言います。すると、横から先生が、「中田さん、よいですね!」と褒めてくれました。

「あれ、俺、褒められたけど、どうなの?」

「…」

こんな会話をする度に、生徒の方々の怒りに油が注がれていたことは間違いありません笑

この場を借りて伏してお詫び申し上げます。

 

さて、お手本を見ながら書いた上で、先生が言いました。

「皆さんは、お手本のどこを見て書いて言いましたか?

真ん中の縦線、中心よりやや左になっているのって気づきました?」

「いえ…」

「誰もそうなってないから気づいてないですよね」

(ちなみに、お手本にも、下敷きにも罫線が引いてあります)

言われてみてから、見直すと、確かに、お手本の縦線は、中心線よりも左側を通っています。

「なぜ、「お手本を見ろ!」と言われているのに、そこに気づかないのか!?」

ついつい口に出してしまいました。

「この縦線を、ちょっとだけ左にずらすだけで、右側にスペースができるんです。だから、右側のはらいが大きく出せるんですよ。字は必ずしも左右対称ではないんですよね」

確かに言われてみればそうですが…全然気づきませんでした。

「最後のはらいのところですが、滑り台のような感じで、払ってみてください」

実際に筆ではらいながら、説明をしてくれました。

「滑り台」と言われてもピンと来なかったので、私は先生のお手本を見て、

ダメなのが、クジラ。オッケーなのが、小鳥。

なんて、勝手な比喩を作っていました。

比喩って大事ですよね。

人それぞれ刺さる表現も違う。比喩一つで、メッセージの伝わり方が劇的に変わるんですから。

そんなこんなで、30分の体験講座が終わりました。

全部で六つの「永」を書いたのですが、初めに書いた右上の字と、最後に書いた左下には、劇的な差がありました。

たったわずか30分。厳密に言えば、書いた時間は15分程度だったと思いますから、

その短時間で、「劇的ビフォーアフターかよ!!」ってくらい変化があったんです。

さすがに、言い過ぎか?笑

とはいえ、実感できるほどの変化がありました。

その15分で、何が一番変わったのか?

それは、

良いお手本を見た

ことです。

もっと言えば、そのお手本のどこを見るのか?も知ったこと。たったこれだけなんです。

でも、これって、

“雀聖”阿左田哲也こと色川武大さんが、『うらおもて人生録』で書いていた、

「見」の重要性

そのものなんですよね。

彼は麻雀だろうが、仕事だろうがなんでもとにかく「見」ることが大事だと言っていました。

麻雀を始めた時も、そこから足を洗って、出版社に勤務した時も、最初に何をやったのか?というと、

徹底的に「見」ることだったそうです。

(余談ですが、この「見」の話は、沢木耕太郎のバカラ賭博を題材にしたフィクション『波の音が消えるまで』にも頻繁に登場します。

読むと分かりますが、沢木さんも、色川さんの影響を多分に受けています)

麻雀で言えば、

そもそもそれはどんなルールなのか?

強い人は、どんな打ち方をしているのか?

勝負は、どんな流れなのか?

などなど、とにかく見て学んだそうです。

(特に始めた頃は、金がなかったから、見ないで、乗り込むわけにはいかなかったそうですが)

出版社に勤務した時も、

会社にはどういう人がいるのか?

それぞれどんな個性を持っているのか?

どんな仕事をしているのか?

今どんなことが求められているのか?

言い方を変えれば、新人として何をやったら喜んでもらえるのか?

とにかく徹底的に見て、学んだと言います。

あるいは、

目より先に手が肥えることはない

という、漫画家の世界に言われる格言も思い出しました。

第二の『鬼滅の刃』とも言われる、『呪術回戦』にも登場した言葉ですね。

 

正しいお手本と出会い、そこの何を見るのか?を知る。その上で、徹底的に反復練習をするから、成果が出る。

んです。

それと出会うことも、知ることもしないで、遮二無二に我武者羅にやったとしても、成果は上がらないのです。

結局、私は入会予定はありませんが、小学校以来初めて書道の教えを受け、

学びにおける「見」の大切さを改めて思い知らされる

貴重な時間となりました。

(入会しなかった理由は明日、お送りする予定です)
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【今日のうねり】
良いお手本と出会い、その何を見るのか?を知らずして、どんなに練習をしても成果は上がらないのだろう。
我武者羅にやればよいってものでは決してないのだ。
メッセージを伝えるためには、比喩は最上級の方法だ。ただ、人によって、刺さるものが異なるので、事例や表現力を高める必要があるのだ。