夢でもし会えたら素敵なことね。何に会うのさ。

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令和3年6月5日  今日もクルクル通信1009号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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川端康成の『名人』を読みました。

これは、無敗の名人であった本因坊秀哉名人の引退碁の観戦記を元に書かれた作品です。

作品では、挑戦者は大竹七段となっていますが、実際は、木谷 實(きたにみのる)九段です。

名人の病気もあり、この引退碁は、半年にわたって繰り広げられることになりました。

なんと、双方の持ち時間は40時間。

一手打つのに4時間近くかかることもあるって、どんな世界なんだよ?

碁のルールも一切分からない、私は、これを読みながらただただビビっていたのですが、「勝負の道は修羅の道」と言われる世界を垣間見たような気がしました。

(うーん、『ヒカルの碁』もいつか読みたいですね)

以下、アマゾンの作品紹介文です。
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新聞に観戦記を連載した川端が、名人の死を経て二十年後に完成させた「鎮魂歌」。

悟達の本因坊秀哉名人に、勝負の鬼大竹七段が挑む……本因坊の引退碁は名人の病気のため再三中断、半年にわたって行われた。この対局を観戦した著者が、烏鷺の争いの緊迫した劇にうたれ、「一芸に執して、現実の多くを失った人の悲劇」を描く。
盤上の一手一手が、終局に向って収斂されてゆくように、ひたすら“死”への傾斜を辿る痩躯の名人の姿を、冷徹な筆で綴る珠玉の名作。

本文より
名人は熱海へ一月の十五日に来て、十八日に死んだ。まるで死にに来たかのようであった。私は十六日に名人を宿へたずねて将棋を二局指した。そして夕方、私が帰ると間もなく、名人は急に悪くなった。名人の好きな将棋も、私と指したのが最後であった。私は秀哉名人の最後の勝負碁(引退碁)の観戦記を書き、名人の最後の将棋の相手をし、名人の最後の顔(死顔)の写真をうつしたわけであった。
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ご興味を持たれた方は是非どうぞ。

さて、この小説の中で、呉 清源六段から川端康成が聞いた、「夢の碁の話」が紹介されていました。
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碁の夢の話を聞いた。

夢で妙手を見つけることがあるそうだ。

目がさめてから、形の一部分をおぼえていることがあるそうだ。

「自分が打っていて、この碁はどこかで見たことがあるという気がよくします。夢の見た碁かしらんと思います。」

と呉六段は言っていた。
川端康成 『名人』より抜粋
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「寝ても覚めても」という言葉をありますが、これぞ、まさにということですよね。

文字通り365日24時間、碁のことだけを考え続けているから、夢の中でも碁を打ち、そこで妙手を見つけることができる。ということだと思いますが…

一体、どれほどの人がこの経験をしたことがあるのでしょうか。

しかも、これが頻繁にあるって…プロの世界ってのはどんだけすごいんでしょうか。

古来より考え事をするには、

馬上(ばじょう)・枕上 (ちんじゃう) ・厠上 (しじゃう) 。三上が良いなんて言われます。

すなわち、移動中、寝床に入っている時、トイレに入っている時の三つが都合が良いということですが、

呉六段の話は枕上ってことですね。

 

一方で、そんな碁の世界にも人工知能の強烈な波が押し寄せているようです。

4年ほど前に、Google DeepMindのAlphaGoが、人類最強棋士と呼び名の高い中国の柯潔(か・けつ)に三連勝をしました。

人類最強知性が夢の中で妙手が浮かぶほど考え続けていたとしても、指数関数的に成長するコンピューティングパワーの前には、なすすべがないのでしょうか。

しかも、

最新のスパコンの処理速度は、70年で60億倍進化し、コンピューターの通信速度は、この30年で100万倍早くなっているらしいですし、

コンピューティングパワーは今後もこの加速度的な成長は止まらないようです。

1990年代初頭のペンタゴンにあった最新鋭のコンピューターの処理速度よりも、我々のポケットの中に入っているスマートフォンの方が、数倍早いだとか。

全く恐ろしい世界ですよね。

うかうかしていると、AIにどんどん人間の活躍の場を奪われてしまいそうです。

悲観的になろうと思えば、いくらでもなれそうですが、

そのコンピューティングパワーが活かせるのは、解くべき問題が目の前にあってこそです。

なので、我々人間が夢に出てくるほど考えなければならないのは、

与えられた問題の解法を探すことではなく、

どうしたら世の中はもっと楽しくなるか?

より良くなるか?

という、「問題を作ること」ですよね。

(これは、各有識者が方々で話をされていることでもありますが)

その観点を忘れずに、日々アンテナを立てていき、夢で出会いたいものです。

とは言いながらも、直近見た夢と言えば、

明日出席する友人の結婚式に、お祝儀を忘れる。しかも、キャッシュカードも持っていなくて、お金を包むことができず、どうするよ、どうするよ俺。

と頭を抱えている、というものだったのですけどね笑
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【今日のうねり】
「寝ても覚めても」。夢の中でも考え続けてこそ、プロフェッショナルと言えよう。
一方で、AIの進化は留まることを知らず、問題を処理するということに関しては、人間がAIに凌駕され続けていくことは間違いない。
だからこそ、我々が取り組むべきことは、問題を解くことではなく、問題を作ること。
その意識を常に持っておかなければならないだろう。

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