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令和3年6月21日 今日もクルクル通信1025号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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「父の日」の昨日、実家に帰りました。
父の日だから、というわけではなく、と言うよりも、むしろ、昨日がその日だと認識したのは、夕方にニュースサイトを見た時だったのですが笑
そんなめでたい日に、父親に会ったにもかかわらず、「お父さん、ありがとう」の一言も伝えなかったことは、問題だったなと思います。
一方で、井上尚弥の世界タイトルマッチを、世界戦16連勝のという自身が持つ日本記録更新の瞬間を、ボクシング好きの父親と一緒に見れたことは、立派な親孝行と言えるのでは?
なんて、あまりにも身勝手な解釈をかましております笑
それにしても、井上尚弥、強すぎですね。
まさに「モンスター」でした。
現地ラスベガスのレポーターも、彼のことを「モンスター」と呼んでいるのが印象的でした。
ボクシングの世界で、アメリカ人のレポーターから「モンスター」なんて呼ばれる日本人が今までいただろうか?
なんて、ボクシング素人のクセに思っていました。
実際、試合は、素人目に見ても、完全に井上尚弥のワンサイドゲームでした。
左手一本で、あっという間に終わってしまった。そんな感じでした。
左でジャブを打って、途中から、左でボディを打ち込み始めて、2回に1回。3回に2回のダウンを奪って、ノックアウト勝ち。
ボディだけでKOする瞬間を見たの初めてだったかもしれません。
ボディって、プロがのたうち回るほど、痛いんですね。
「ボディは痛い、痛い。鍛えることができない」とは聞いたことがありましたが、これほどとは!?と思ってしまいましたよ。
沢木耕太郎のボクシングフィクション『春に散る』で出てきた、キドニーブローを思い出してしまいました。
これを必殺技にしている人が登場するんです。
肝臓のちょい後ろにある、腎臓(キドニー)。ここはマジで鍛えることができないし、打たれると呼吸が止まるらしいんです。
一瞬逸れましたが、
では、挑戦者が弱いのか?って言うと、そんなことも全くなかったみたいです。
彼も、30勝のうち20勝がKO勝ち。まだ3敗しかしたことがない強者だったらしいですからね。
しかし、赤子の手を捻る、とはこのこと?というくらいの圧倒的な3ラウンドKO勝ちでした。
中継を見ながら、終始、「井上、つえなー。これ勝つな」ってくらいなことは感じていたものの、両者の差がどこにあるのか?なんて全く分かっていませんでした。
そんな私は、試合終了後のインタビューで、解説の村田諒太(現ミドル級世界チャンピオン&ロンドンオリンピック金メダル)が放った最初の一言、
「1ラウンドのファーストコンタクトの瞬間、挑戦者の右ジャブに左フックを放ったよね?あれで勝利を確信したよね?」
(※ズバリではないですが、凡そこんな感じです)
に、唖然としました。
さらに、それに対する井上尚弥の回答が、
「そうですね。あれで勝てると思いました」
だったんです。
すかさず、村田諒太は、
「そうだよね、俺もそう思った。タイミングがあったよね。あれから挑戦者も完全に腰が引けちゃったよね」
って言っていたんですわ。
ビビりましたよ。プロってこんな世界なんだなって。
このシーンを後で、スロー再生で見たんですけど、その左フック自体は、クリーンヒットもしていないんです。挑戦者の後頭部をかすめただけだったんです。
でも、結局、挑戦者はこれを契機に、踏み込むことができなくなったらしいです。
井上尚弥は、ここでタイミングは掴んで、ここから彼のリズムになったみたいなんです。
勝負が決した瞬間だったらしいです。
「らしい」、「みたい」ばかりを使っているのは、私がボクシングの事が全然分からないからですよね。
一方で、井上尚弥も村田諒太も、昨日のタイトルマッチは、この瞬間に勝負アリって分かっていたんですよね。
この差。
昨日試合を素人の私が記述しようとしたら、
井上尚弥の世界タイトルマッチが行われた。
井上尚弥が序盤から左のボディ連発して、2ラウンドに1回ダウンを奪う。3回にさらにボディを打ち込みまくって、2回のダウンを奪ってKO勝ち。
井上尚弥、強すぎ。まさにモンスターだった。
これくらいしかできません。
でも、仮に村田諒太が、(あるいはボクシングの知見がある人)が、同じようにこの試合を記述するとしたら、
例えば、ファーストコンタクトの瞬間になぜ勝負が決まったのか?
これがチャンピオンと挑戦者にどんな影響があったのか?
なぜそんなに井上尚弥が強いのか?
など、もっと細かく描写できるはずなのです。
その差は、記述の差は歴然としているはずです。
井上尚弥と挑戦者以上にハッキリ出るはずなのです笑
例えば、この差は、
「似顔絵書いてください」と言われた、幼稚園児と画家の差みたいなものかもしれません。
子供が書く似顔絵が、楕円の上に、目、鼻と、口、眉毛、耳。髪の毛を書いて、「まあ人の顔だよね」というものを書くにとどまるのに対して、
画家は、それらのパーツに加えて、対象の特徴を書き加えるようになる。
例えば…って書こうとしたのですが、絵心のない私は、というかプロの画家がどのように似顔絵を書くのか?ってことが全く分からないので記述ができません。
ってことに、今気づきました。(比喩の失敗!!笑)
でも、そこを気にするんですか?って細部まで描写するのだと思います。
「分かる。は分ける」という言葉がありますが、その意味を痛感する、世界タイトルマッチとなりました。
私自身は、試合後のインタビューにKOされました笑
自分の専門分野では「違いのわかる男」であるために、学び続けるのです。
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【今日のうねり】
「分かる。は分ける」。物事の理解が深まれば深まるほど、細部に意識が行くようになる。
それが「分ける」ということなのだ。
自分の専門分野では「違いのわかる男」であるために、学び続けるしかないのだ。