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令和3年10月1日 今日もクルクル通信1139号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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サッカーをやっていた時に
ひでぇパスだ
と感じざるを得ないパスを受け取ることがたまにいました。
このひでぇパスっていうのは、例えば、
受け手が、完全に敵を背負っている状態
とか、
2~3人の敵に囲まれている状態
とか、
つまり、とてもボールを受け取れる状態ではないにもかかわらず、押し付けられるパス
のことです。
受け手がそんな状況にもかかわらず、なぜ、出し手はパスするのか?というと、
自分が厳しい局面に立たされているから。
ってことが、一番多いのだと思います。
体力的に限界だったり、ボールコントロールをミスって、ボールを奪われそう、など、理由はいくつもあるとは思いますが、総じて、自分がボールを奪われるのが嫌だから、
とりあえず、このボールを離そう。あっ、あいつが見えた。でも、やばいかも?いいや、出しちゃえ、出しとこう。
みたいな判断が多いのだと思います。
ボールを出された方は、こんな状態でボールを受け取ったとしても、簡単に奪われてしまいますし、そもそも相手にパスカットされて、受け取れないこともあります。
いずれにしても、ボールを奪われてしまう、という未来はほぼ確定しています。
パスを出された方は、「なんでこいつ俺にパス出してんだよ、無理っしょ!?」って感じなんですけど、パスを出した張本人は、
「なんで、ボールを奪われているの??」なんて顔をしている。
これが、ひでぇパスであり、ひでぇ奴です。
ひどいですよね?ほんとに笑
確かに、体力的に、精神的に厳しい状況で、ひでぇパスを繰り出しちゃったことが、なかったのか?と言われれば、私もあります。(だから、これが書けるわけです笑)
でも、そんなパスを出してしまって、相手にボールを奪われてしまうことがあったとしても、
「お前、なんで??」って顔をするのではなく、
「ごめん、俺のパスが悪かった。」って言うし、それを態度で示すために、ボールを奪い返しに行くんだと思うんですよね。
チームスポーツですから。
サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする。
という格言があるらしいです。
これ、中学校サッカー部顧問”かっちゃん”の口癖だったのですが、彼以外の口から聞いたことはありません笑
(と言いながら、ググったら、「日本のサッカー界の父」と呼ばれる、デッドマール・クラマーの言葉だそうです。知らずに失礼をしました)
優れた選手というのは、この手のひでぇパスを出すことはありません。
それどころか、できる限り相手が次のプレーがしやすいように、相手の状況を見て、どのあたりにパスを出したら良いのか?
というところまで考えてプレーをしています。
ひでぇパスを出す人は、「自分が厳しい時に、自分ではなく、相手のせいにする。」というマインドセット。
言い換えれば、他責思考だと言えます。もちろん、当時は、他責という言葉すら知らなかったですが。
一方で、優れた選手は、自分のミスを認め、場合によっては、そのミスが相手によるところが大きかったとしても、自分の責任だと思う、自責思考です。
自責思考かどうか?は人間の成熟度に関係がありますよね。
なので、サッカーを通して、自責の人に生まれ変わることができるとしたら、まさに、”かっちゃん”の言葉改め、クラマーの言葉通り、
サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする。
と言えるのでしょう。
おそらく、このひでぇパスってのは、どんなチームスポーツにもあるんだと思います。
同じように、ビジネスでもあるんですよね笑
例えば、今までほぼ関わっていなかったプロジェクトなのに、突然、上司から呼び出しを受けて、
「悪いけど、これやってくんない?」って、依頼を受ける。
とりあえず、「はい!かYes!か喜んで!」の精神で、話を聞いてみると、座組も納期も、予算も、リソースもない。しかも、お客様とも揉めている、トラブルまみれの案件だったみたいな。
なぜ、このタイミングで、このパスが俺に飛んでくるの?
って思わざるを得ないやつです笑
こういう経験ってありませんか?
よくよく話を聞いてみれば、前任者が行き詰って、逃げ出してしまったみたい話だったってことが多いんですよね。
こういう人がいると、必ず、その案件(=パス)を受け取らなきゃいけない人がいる訳ですから、
これって、ひでぇパスであり、ひでぇ奴ですよね。
サッカーの場合は、仮にそれで相手にボールを奪われたとしても、すぐに奪い返すことができることもありますが、進行中のプロジェクトとなかなかそうもいきません。
それでも、パスを受け取った人間は、それこそ1人2人に囲まれていようが、なんとかマイボールをキープして、状況を立て直さなきゃいけません。
言うまでもなく、これって、めちゃ大変なのですが、これができたとすれば、
スポーツにおいてもビジネスにおいても、信頼を勝ち得る人になるんですよね。
紳士と呼ぶにふさわしい人になれるのです。
なので、万が一、相手を仕留める、決定的なチャンスを演出する「キラーパス」ではなく、自分が仕留められかねない「キラーパス」を繰り出されることがあったとしたら、
これは、信頼を勝ち取るチャンスだ。
紳士or淑女になるチャンスだ。
と、自らに言い聞かせ、その難局を打開すべく、身体を張ってプレーをしていく。
禍を転じて福と為す。ピンチをチャンスに変えていく。
そんな精神を持ち合わせていれば、誰もが紳士・淑女になれるのです。
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【今日のうねり】
厳しい局面になると、逃げる奴がいる。これは仕方がないことだ。
でも、そんな局面でパスを受け取ることがあったら、チャンスだと思うと良いのだろう。
成長する=紳士になるチャンスであり、信頼を獲得するチャンスになるからだ。
確かに、大変な局面であるが、自責であり、身体を張ってプレーし、乗り越えていく。
どんな商売であれ、これができる人こそが、信頼される人になるのだ。