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令和3年11月7日 今日もクルクル通信1174号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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プロ野球選手の落合博満が現役時代、バッターボックスでどうやってカーブとストレートを見分けていたか?分かるか?
こんな宿題を、文化の日の朝6時45分にトイレのおじさんからもらっていました。
そして、今朝、同時刻にその答えを教えてもらったんですが、そもそも、なぜこんな宿題が出たのか?ということから今日は書きたいと思います。
先日もご紹介した通り、トイレのおじさんは、仕事道具に独自のカスタマイズを加えて、より快適に仕事ができるような工夫を沢山しています。
阿左田哲也こと色川武大流に言えば、「自分の手縫いのフォーム」を持っています。
そのフォームの中には、仕事に対する姿勢や自身の仕事の定義と言った価値観も含まれる。と言うよりも、価値観を土台にフォームが築かれるものだと思います。
例えば、トイレのおじさんはトイレ掃除とは次のような仕事だと言っていました。
「トイレ掃除ってのは、人に見られる仕事なんだよ。ほとんどの仕事が、人に見られない、見せない仕事だろ!?でも、トイレ掃除は違うんだよ。
「俺がこのトイレを掃除している」ことを多くの人に見られることが大事なんだよ。
同業者の中には、とりあえず掃除やっときゃいいんでしょ?って思っている人はいっぱいいるよ。
真夜中の3時から掃除を始めて、午前中に仕事を終えて、昼から酒を飲んでるみたいにね。
確かにね。早くやろうと思えばいくらでも早くやれるし、いくらでも早く終わらせることができるよ。
でも、俺はやんないよ。敢えて時間をコントロールしているわけ。
それがなぜかわかる?
お兄ちゃんみたいにね、こうやって「あのおじさんはいつもトイレの掃除をやってくれている」って、沢山の人に見て、思ってもらうためだよ。
正直、トイレがちゃんと掃除されているか?なんてことは、役所も人もわかんないよ。
夏なんて、やったそばから乾いていっちゃうじゃん。これからの季節はちょっといいけどさ。
それで、ちょっと汚い使い方をする人がいて、昼間に苦情の電話が入ったりなんかすると、
トイレ掃除をしていないんじゃないか?
って話になりかねない。仮にちゃんと掃除をしていたとしても。
今すぐ対応しろ!って連絡があることもあるわけ。
でも、酒なんか飲んでたらそれもできない。したら、本当に仕事をしていない奴になっちゃう。
そうなって良いことが一個もないから、俺は、人に見てもらえる昼間の時間に掃除をしているの。
「あー、あの人はちゃんと掃除をやってくれている人だ」ってなるでしょ。
だから見られることが大事なわけ。
でもね、それすらも分かっていない人が多いのよ。最近はさ、トイレ掃除も公募するようになっちゃったしね。
俺の時は、紹介しかなかった仕事だからね。」
こんな感じで、仕事の姿勢やコツの話の中で、登場したのが、冒頭の質問。
落合博満はカーブとストレートをどうやって見分けていたのか?
でした。
彼が、これを公開したのは、現役引退後だったらしいんですが、おじさんも、現役を引退する時に、そういったコツを後輩に公開しようかな?って考えているそうです。
さすがに現役中は、自分の仕事の秘中の秘は、他者には教えることはできないようです。ライバルに塩を送るようなもんだから。
さて、そのカーブとストレートの見分け方について、私は次のように答えました。
「カーブとストレートを投げる時の仕草や癖を見つけて、それで見分けていたんじゃないんでしょうか?落合さんもノート魔だと聞いたことがありますし。」
「バッターボックスでだよ、そんなの一瞬じゃ無理だろ。混乱しちゃうだろ。
投手ごとに、あーだったら、ストレート、カーブなんてことを考えていたら間に合わないでしょ。
落合は帽子を深く被って、バッターボックスに立っていたんだよ。
帽子のつばから、ボールが一瞬でも消えることがあれば、カーブ。消えなければストレート。
こうやっていたんだよ。
カーブは上から下に曲がって来るから、つばから外れる瞬間がある。外れなければストレート。ってね。凄いよな。」
「それ、めちゃめちゃ合理的じゃないですか。感覚に頼っていないから、きっと再現性もあるでしょうし。」
「いや、凄いよな、落合。このトイレ掃除にも、そういったコツがいっぱいあるわけよ。それこそ、ごまんとある。どんな仕事もそうだと思うけど。
本当はもっと話してやりたいことがいっぱいあるんだけどさ、俺も仕事しなきゃいけないから。また今度な!!」
どんな仕事でもプロフェッショナルたらんとするならば、自らで仕事を定義し、手縫いのフォームを作ることは欠かせないようです。
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【今日のうねり】
プロフェッショナルたらんとするならば、どんな仕事であれ自らで仕事を定義し、手縫いのフォームを作ることは欠かせない。
そのためには、自分の価値観を正しく理解しておくことも大事なのだ。
その価値観を土台に定義もフォームも出来上がるのだから。