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令和4年2月13日 今日もクルクル通信1271号
本ブログは、(株)SURGING中田雅之のブログです。
今日もクルクルうねって、胸にぐっとクル気づきを書いていきます。
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昨日は、日本での「エフェクチュエーション」研究の第一人者、神戸大学の吉田 満梨准教授ののセミナーでした(主催は鮒谷周史さん)
多くの方が、「エフェクチュエーション」って、一体なんのこっちゃ?って思うかもしれませんが、
インド人経営学者サラス・サラスバシー先生が、提唱した「優れた起業家に共通する意思決定プロセスや思考(考え方)を発見・体系化した市場創造の実行理論」です。以下、私の勝手な解釈も多分に含まれますが、
例えば、年間目標は5億円。その目標に達成するには、
あの市場のボリュームはどれくらいあるのか?
競合はいるのか?いるとしたらどれくらいか?
それに対して我々の優位性はどれくらいあるのか?
これぐらいできれば、4.5億はいけそうだ。残りの0.5億は、〇〇すればなんとか行けるかも。
これであれば、目途が立ちそうだ。では、いざ出陣!
というような、「将来をできる限り予測して目標達成のための手段を考え、行動を進めていく」というお馴染みの”逆算的な”アプローチではなく、(これは、エフェクチュエーションの対極にある考え方で、「コーゼーション」と呼ばれています。)
そんな将来のことなんて、誰にも分からない、予測なんてできないんだから、今の手持ちの資源で、出来ることから始めれば良いんじゃない?
実際、数多くの歴史に残るようなアントレプレナーはそうやって成果を残しているよ。
という理論体系です。
ご興味を持たれた方は、「エフェクチュエーション」でググって下さい。特にコロナ以降、益々不確実性が高まっているVUCA時代において、急激に注目されている理論体系だということもお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、「コーゼーションが不要」と言っているわけではありません。0⇒1のフェーズにおいては「エフェクチュエーション」の方が有用なのではないか?コーゼーションは、1⇒10フェーズに使うと良い。二つの併用が大事ということですので、悪しからず。
事実、「1~2回 方向転換(ピボット)するスタートアップは、2回以上する企業or 1回もしない企業よりも売上は2.5倍の、顧客成長率は3.6倍である」というファクトもあるそうです。
例えば、あの宝飾品として有名なティファニー。元々は「文房具屋だった」らしいんですが、ご存知でしたか?
アメリカンエクスプレスは、その名の通り、元々はクレジットカード会社ではなく、荷馬車で運ぶ、貨物運送業者ですよね。
健康食品、サプリの大手企業である、DHCは、「大学(D)翻訳(H)センター(C)」という名前の通り、洋書の翻訳から始まっています。
事例がデカすぎて、リアリティが少ないかもしれませんが、始められることから始め、全く別の事業で成果を残している会社は沢山あるようなんですよね。
そんな「エフェクチュエーション」の理論の中の一つに、”手中の鳥”というのがあります。
これはアメリカの”A bird in the hand is worth two in the bush.”という、ことわざに因んだものらしいのですが、意味は文字通り、
“掌の1羽の鳥は、藪の中の2羽の鳥よりも価値がある”というものです。(“明日の百より今日の五十”と訳されることもあるようです)
要は、「手持ちの資源から始めなさい。やれることからやっていればチャンスが来るから」ということです。
さらに、私の勝手な解釈を加味すれば、”他人の芝生は青い”なんて言っている暇があったら、「俺の芝生だって、青いぜ。養生すりゃもっと青くなるからやってやるよ」とか、
連日書いた”井の中の蛙最強説”=自分の足元にある井戸を掘れば良いという話と同じとも言えるかもしれません。
足元の井戸を泉が湧くまで掘りましたか?
掘っていると、「その泉のお水を下さい」と言う奇特な人?が現れることがあるんですよ。「じゃあ、あなたの持っているアレと交換してくれませんか?」みたいな、思いもよらない展開から、ビジネスが発展していくことがあるってことのようなんです。
ビジネスを始める⇒まずは資金が必要だ⇒銀行から借りる?それとも、VCから調達する?⇒事業計画だ。プレゼンだ。
手元に”ないもの”をまず求めるのではなく、”あるもの”から始めるというのがエフェクチュエーション的な発想ということです。
でも、よくよく考えてみてください。
多くの人が、あるものから戦うゲームが好きだったとはずなんです。
カードゲームで言えば大貧民。キングレオ。ドンジャラに麻雀。もっと言えば、ドラクエといったRPGゲームまで。
スタート時点での資源不足に文句をいう奴なんて、いませんよね。配牌がクソだからって辞める人、いませんよね。(麻雀、やりませんが)
むしろ、どんなにそれが酷かったとしても、反転攻勢を仕掛けるチャンスを狙って、凌き続ける戦いが、面白かったじゃないですか。
凌いで凌いで、大逆転の一手を決める。あのスリリングさが堪らないわけじゃないですか。
ドラクエだってそうですよね。最初は、こんぼうと布の服から始まりますよね。「ふざけんなよ、俺は最初から鋼の剣と鉄仮面が欲しいんだ!」なんて、匙投げる人はいなかったですよね。
今ある武器(=手中の鳥)でスライムをやっつけ、金を貯める。やれることから始め、自ら成長していく。これが面白くて、やっていたと思うんです。
であれば、リアル人生も手中の鳥から、手持ちの資源でできることから始める。
この「エフェクチュエーション」的発想で行くのが、”大吉”なのではないでしょうか。
ということで、ついつい、”ないものねだり”、”まちがいさがし”(菅田将暉!?)をしちゃうのが、人間ですが、
掌にある鳥を愛でる。俺の芝生を美しいじゃん!って思う。俺の井戸の水が美味いと思う。ここから始めてみる。
次にやることは、行動あるのみ。
GACKTの言葉を借りれば、”知(とも)・覚(かく)・動(うご)・考(こう)”
やるしかないのです。
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【今日のうねり】
ないものねだりではなく、手元にある資源から始める。手中の鳥からスタートする。
ゲームも人生も同じだ。
例え、手持ちの資源がショボかったとしても、一歩ずつ歩めば、チャンスが拡がるのだから。
あること探し。これをやったら、行動あるのみ。これしか0⇒1のフェーズはないのだ。